喪失感を味わったことあるひと手をあげてー!《ふしぎな図書館 村上春樹》
内容(「BOOK」データベースより)
図書館で「オスマントルコ帝国の税金のあつめ方について知りたいんです」とたずねたぼくに、老人の目がきらりと光った。案内された地下の閲覧室。階段をおりた奥から、羊男が現れて…。はたしてぼくは、図書館から脱出できるのか?村上春樹と佐々木マキが贈る、魅力溢れる大人のためのファンタジー。
感想
『喪失感』、主人公はクライマックスにそれを味わうことになる。なにか大切なものを失う経験をしたことがあるひとは、共感できるかもしれない。だが、喪失感を味わったことがないぼくには少しむずかしい。つまり、ぼくはなにかを失った経験をしていない、もしくはそれに気づいていないということである。
本書のストーリーは、かんたんだ。主人公がある日、図書館に行ったら、あやしい老人に地下の閲覧室に閉じ込められる。そこには、羊の衣のようなものを身にまとった羊男としゃべることができないかわいい女の子もいて...主人公がその図書館を脱出するというのがおおまかなあらすじだ。
分量も90ページほどですくないし、あらすじもシンプルだ。だが、結末がまったくもってわからない。村上春樹がなにを伝えようとしていたのかを理解するのがむずかしい。
ぼくが『喪失感』をはじめて味わったとき、ひょっとしたら、この本の結末の意図がわかるのかもしれない。
こちらは、本書にもでてくる羊男が主人公の本