障がいってなに?マンガでわかる発達障がいのこと《生きづらいと思ったら親子で発達障害でした モンズースー》
生きづらいと思ったら 親子で発達障害でした (メディアファクトリーのコミックエッセイ)
- 作者: モンズースー
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2016/05/26
- メディア: 単行本
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「発達障がい」それは、脳機能の発達が関係する生まれつきの障がいのことをいう。主に、コミュニケーションや対人関係をつくるのが苦手だと言われている。発達障がいとひとえにいっても、様々な特性が存在する。
自閉症、アスペルガー症候群、注意欠如・多動性障がい(ADHD)、学習障がい、チック障がい、といったものが代表的だ。スティーブ・ジョブズやビル・ゲイツ、イチローといった著名人がアスペルガー症候群という疑いがあるのは有名な話である。
本書の著者であるモンズースーさんは、発達障がいの息子2人を育てる母親だ。そして、モンズースーさん自身、ADHDの当事者であり、障がいを抱えている。長男のそうすけくんが頻繁にかんしゃくを起こしていたことがきっかけで、発達障がいを抱えていることがわかった。
結婚すらしていないぼくにとって、子育ては無縁の世界だが、本書を読んでいて子育ての大変さが痛いくらい伝わってきた。それは、本書がまんが作品であり、子育ての大変さを視覚で訴えてくるからだ。障がいを抱える子の育児がいかに大変か、母であるモンズースーさんの苦悩がまんがを通じてはっきりと伝わってくる。これが文字だけで構成されたものだったら、おそらくぼくは手にとることはなかったし、子育てがこんなにもハードだと感じることはなかったと思う。
このシーンは、そうすけくんが発達障がいだとわかった後に、モンズースーさんが思い悩むシーンだ。"この子のことが好きで好きでしょうがないから、この子の障害が悔しいんだ"。このセリフがいちばん印象に残っている。
もしこのブログを読んでいるあなたが発達障がいを抱える息子・娘を育てている親ならば、ぜひとも本書をおすすめする。理由としてはふたつある。
ひとつめは漫画だから、とにかく読みやすい。形式としては、コミックエッセイなのだが、文字がそんなに多くないから、サクサク読むことができる。そして、これは関係ないのだけど、イラストがゆるくて癒される。そうすけくんがかわいい。
ふたつめは具体的な育児対処法まで書かれていることだ。たとえば、そうすけくんはかんしゃくをよく起こす。かんしゃくに関しては予防と起きた後のフォローが大切だと言う。
かんしゃくの対処はまず予防すること。予測できないことへの不安や想定外のことへのパニックからかんしゃくになることもあるので、事前にわかるものは何でも伝えておきます。
「今日は支援センターに行くよ。◯◯先生いるよ、◯◯くんいるよ。みんなでおもちゃで遊んで片づけたらサーキットするよ」(中略)
次はかんしゃくが起きてしまったら。最初は何をしても伝わらないので少し放置。少し落ち着いて話が聞けそうだなと思ったら声をかける。やさしく「おいで」「だっこしよう」などと怒っていないことを伝える。
だっこがOKなら抱きしめてあげるとすごく落ち着く。
しばらくして話ができそうだなと思ったらかんしゃくの原因を代弁して気持ちを整理してあげる。そして解決策を提案してあげる。
もちろんこれでうまくいかない場合もあるし、これはモンズースー家のやり方であって、合わない家庭もあるかもしれない。しかし、これがなんらかのヒントになるだろうし、自分の子どもがおなじような症状になったならば、試してみる価値は十分にある。
ちなみに、モンズースーさんはツイッターもブログもやっているから、興味がわいたひとは見にいくといいよ。