【#87】拝金 堀江貴文
- 作者: 堀江貴文,佐藤秀峰
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2010/06/17
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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内容
あとがきで、堀江さんがこの本に対する想いをすこし述べていた。
お金がないときはやれることに限界はあるけど、お金があればやれることがどんどん広がる。つまり、お金を持てば持つほど、お金から解き放たれて自由に発想できるようになる。もっといえば、あらゆる欲望、金、女、酒、美食、何でもいいけど、徹底的に浸りきり、欲にまみればまみれるほど、ある瞬間、その欲の世界を突き抜ける、そんな感覚になっていく。
突き抜ける、そうとしか表現のしようがない。それがムチャクチャ気持ちいいというか、もの凄い快感を与えてくれるのだ。
それをなんとか、みんなに知ってほしかった。じゃあ、どうするか?僕が体験した世界を読者に追体験してもらう、これが一番、簡単で確実な方法だ。だから小説を書いてみることにしました。
この物語の主人公は一種の「アバター」として設定した。読者は、この主人公にのりうつって、ドラクエでもするように、いろんな経験をしながら僕の体験した世界を感じてもらう、という設計になっている
本書のおおまかなあらすじは、年収200万のフリーターの藤田優作が謎のおっさん堀井健史と出会い、起業し、多くの金を手にし、最後は検察に捕まるというストーリーです。
ヒルズ族と呼ばれた世界や起業のノウハウ、企業の歴史などビジネスに関するありとあらゆることが書かれています。
近鉄バッファローズ買収・ニッポン放送株買収、証券取引法違反など実際に堀江さんが起こした話も呼称が変えられ、登場している。
ヒルズ族の世界を疑似体験できる一冊です。
疑問
この本の何パーセントがノンフィクションなのか?
読書メモ
1.金とは、価値があるということ。
「金持ちになる、というのはどういう意味か分かるか?」さらに矢継ぎ早に、「金をたくさん持っていることか?子供の解答を聞きたいんじゃない。そもそも金とは何かってことだよ」
簡単に言えば、「価値」があるってことだ。価値とは、いいか、優作。欲しいものと交換できる権利があるってことだよ。よく愛は金で換えないって言うけど、そうだな六本木のドイッチュランチで優作の横にいたアイドル、確か、エリナ、彼女を抱くのに必要な額は、彼女が決定するとして、さ。
イケメンの若手俳優ならタダでもいいだろうし、逆に脂っこい中年おやじなら100万積んでもダメかもしれない。ところが、彼女を抱く側、そのイケメン俳優はタダでも断り、一方の脂っこい中年おやじは100万がダメなら200万でも300万でも出すかもしれない。
金の価値は交換したい個人の「欲望」でいくらでも変動する。ある物に対して、どんなことをしてでも欲しいと思えば、金の単位的な価値は低くなり、逆に大して欲しくないならその価値は高くなる。愛はタダで買える。でも、いくら払っても買えないのだ。
2.欲望が金の価値を定める
欲望が金の価値を決める。そしてそれは人によってケース・バイ・ケースなんだ。本来、金はその欲望を満たすための手段でしかないんだよ。金をたくさん持ち、金に執着し、金がすべてになる人間は金持ちとはいわない。
欲しいものがなく、欲望がなければ、金などわずかしか要らないのだから。金持ちとは何かー?欲しいものがたくさんありすぎるから、とりあえず金を稼いだ人のことだ。
つまり、流行とは人間の欲望が集まるうずのようなもの。 だからこそ、企業は流行をつくろうとしたり、流行に合わせたプロダクトをつくろうとする。
3.金持ちは、時間が欲しい
もちろん無料版だって相当の機能を用意している。手間暇かけて丁寧に育ててレースで活躍すれば、卵や子種を売ってポイントを稼げる。でもオッサンが言ったように、金を出してでも、成長させるまでの時間が欲しい人は、そうしてもらおうという発想さ。
ソーシャルゲームは、まさにこの心理を突いたビジネスモデル。無料版でも十分たのしめるけど、すこしお金を投入するとレアイテムを買えるとか。
4.若き英雄か、時代の徒花か。
若き英雄か、時代の徒花か。
出た杭として叩くか、救世主に祭り上げるか。
世間は、俺をどう評価したいのか。
5.マスコミという匿名性
「いま質問した、あなた。会社名と氏名を告げれば、私は答えます。でもトンチンカンな物言いと顔も全国に流れるので、そのつもりでいてください。」
何か騒動が起きると、マスコミはその当事者を公開リンチにする。群がり、吊るし上げる。挙げ句、プライベートまで暴き立てるくせに、一方で彼らは常に匿名性で守られているた。マスコミという集合体の中で、その個人は決して特定されない。だから、相手の人格をいくら踏みにじったところで平気なのだろう。