【#57】最強のNo.2 曽山哲人
最強のNo.2 (U25 SURVIVAL MANUAL SERIES)
- 作者: 曽山哲人
- 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
- 発売日: 2013/04/13
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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◎内容と感想
サイバーエージェント取締役人事本部長の曽山さんの書籍です。人事では有名な方で、学生主催の就活系イベントなどにも多数登壇されています。2度ほど、講演を聞く機会があって曽山さんのスマートな立ち振る舞いや、磨かれた言葉遣いなどに触れて、ファンになったのがきっかけでこの書籍を手にしました。一度お会いすれば、分かると思いますが、本当に「洗練」「デキるビジネスマン」という言葉が似合う人だと思います。
◎この書籍のメッセージ
この本のターゲットは、おそらくNo.1になろうと努力しているけど、どこか伸び悩んでいる人、いつもNo.1に負ける人、普通でいたくないけど、他の人に勝つ方法が分からない人。おそらくこういった人向けの書籍かと思います。
この本で言う、No.2とは副社長になる事ではありません。会社で自分にとってのNo.1を探し、そのNO.1の右腕になる事をNO.2になる事と指しています。右腕という事は、誰かにとっての必要不可欠な存在になる事とも言えます。そして、その右腕になるための方法の一つとして次のような方法を曽山さんは紹介しています。「自分は何をしたいか?」ではなく、「自分は組織の中で何をなすべきか?」を考えるということです。
これは、個人的に思った事ですが、自分のやりたい事を探すより、組織の中で何をすべきか?の方が見つかりやすいような気がします。自分のやりたい事を探す事はどちらかというと感覚的なもので、組織の中で何をすべきかを探す事は、ロジカルチックのような気がします。
では、なぜ曽山さんは、No.2を目指せと言っているのでしょうか?おそらく、No.1になるには、「運」が必要であると曽山さんは考えているのだと思います。自分のやりたい事を見つけるには、いわば暗闇の中で探し物をしているような状態です。一方で、組織の中で何をなすべきかを見つける事は、自分の役割を決め、それをアクションに移すということです。
No.1になるには、たまたまその探し物を見つける当てる「運」が必要です。で
も、No.2になる事は、戦略を立て、努力をすればなり得る事ができる。それがこの著書の曽山さんからのメッセ—ジだと思います。
◎読書メモ
1.選ばれるのではなく、常に自分で選び取れ
組織において個人のわがままを通すことはできないので、会社に自分を合わせる必要はある。でもだからと言って自分を犠牲にする必要はない。自分と会社の視点を合わせて、会社を自分のレベルを上げるステージにする。
重要なのは、選ばれるのではなく、自分でその会社に所属することを選んでいるという主体性。主役は常に自分。選ばれるのではなく、自分で選び取れ。
2.決める人生にすれば、自分が主役になれる
例えば、仕事に行き詰まった時、転職するのか、独立するのか、起業するのか、組織に残るのか?どの選択もある意味では正しいし、ある意味ではどれも正しくない。正しいか正しくないかではなく、正しくする。自分で決断した人だけが、正しい答えを導ける。
自分が決断した経験は何か?その量と質を増やす。決めない人生とは、人に決めて貰っている人生だ。他人に依存する人生ではつまらない。決める人生にすれば、自分が主役になる人生になる
曽山さんが学生に講演をする時にある一つのメッセージを口にします。それは、「決断経験を増やす事」。前までは、決断経験を増やす事が、何に繋がるか分からなかったけど、曽山さんが言ってる事をこうやって文章にして読んで初めて少し分かった気がします。決断する事は、自分が主役になる事とイコールなわけです。
3.言うことは壮大に、やる事は堅実に
会社において、社会において、多くのことは、一人で成し遂げることはできない。何か大きなことを成し遂げるには、応援者が必要で「これを成し遂げたい!」という強い想いに人は動かされる。人を動かせるような志やビジョンを持つ。
サイバーエージェントの役員は、よく「言うことは壮大に、やることは堅実に」と口にする。目標や野心は壮大に掲げつつ、足元でやることは堅実に進めるのが大きな成長への近道だという考え方だ
例えば、「もし自分が世界史に残るとしたら、どう書かれたいか?」。世界史に残る事を考えれば、いやでも社会的インパクトのある目標が出てくるはず。書き出してみると、「こんな大きな事言ってるけど大丈夫か?」「スケールが小さいかも」と思うかもしれない。でも世界史レベルで考えるのだから、現実味を考慮することも、他人の目を気にする事も必要ない。あくまでも自分が何を成し遂げたいか?自分のビジョンの目線がどこにあるか?で成長角度が変わる
とは、言っても壮大な目標を掲げることは思ったよりも難しい。そういう時にオススメなのが、壮大ないい目標をたくさん見ること。「21世紀を代表する会社を創る」というサイバーエージェントの目標も、書籍「ビジョナリ—カンパニー」の影響を受けている。
4.エニアグラム
自分の強みを知り、相手との対話を効果的に進めるツールがある。それがエニアグラムと呼ばれる診断だ。質問に答える事で、自分の強みが分かる。
タイプ1なら優等生でありたい完璧主義(星一徹)。タイプ2なら人の助けになりたい博愛主義者(ドラえもん)。タイプ3なら大きな成果を出すことにどん欲な成長主義(峰不二子)。タイプ4は特別な存在であろうとする変わり者(スナフキン)。タイプ5は、知識を得て観察する論理主義者(シャーロック・ホームズ)。タイプ6は安全を求め慎重に行動する人(マスオさん)。タイプ7は、楽しさを求めて計画する楽天家(サザエさん)。タイプ8は強さを求め自己主張をするリーダータイプの人(ジャイアン)。タイプ9は、調和と平和を求めるおっとりさん(ドカベン)といった9つのタイプに分ける事ができる。
5.2割報告
上司に仕事を頼まれ、報告に行ったら、大幅にやり直し。これでは、報告に行った自分も疲れるし、上司もイライラする。これを避けるためにおすすめなのが2割報告。例えば、「この資料を来週までに作っておいて」と上司に言われた時、ギリギリまでやって、完璧なものを作ろうとすると時間もかかるし、方向性も間違っていて、そこから作りなおそうとすると締め切りにも間に合わなくなってしまう。
そこで役立つのが2割報告。上司に依頼された翌日に2割できた段階で報告に行くというもので、当社の常務の中山が考えた言葉である。2割の段階で報告に行くと、適切なアドバイスを貰えるし、それなりに形になっていれば褒められる。
このように早い段階で動く事を私は初動サプライズと呼んでいる。