読書めも

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クリぼっちのあなたを元気づける本7冊を紹介する

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クリスマスもすっかり終わったということで、リア充なひとたちは恋人とイチャコラしていたのでしょう。かくいうぼくはクリぼっちだったので、街行くカップルに「深爪になれ〜、深爪になれ〜〜」と、こころの中で呪文をとなえていました。

ところで、下記の記事によると、社会人600名のうち7割がぼくと同じのクリぼっちだそうです。

 

 

というわけで、そんなクリぼっちだったひとたち(ぼく含め)が元気になれる本7冊をご紹介します。「え、クリぼっちだったけど、ぜんぜん元気?」まあ細かいことはきにせず元気なひとも読んでみてください。

 

1.悪口いわれても気にしない。笑いつづけるツッコミ芸人

「おはよう」とつぶやくと、「おまえは目覚めるな」

「おやすみ」とつぶやくと、「永遠に」

 

twitterでそんなリプライが来てもぜんぜんめげない芸人、それがNON STYLE井上裕介。毎日のように多くの罵倒や悪口が書き込まれるが、それをポジティブに返す井上さん。

「おまえフォロー外した。おもしろくない」というリプライが来ると、「今までフォローしてくれてありがとう!」と、返信する。

さらには、「おまえ黙ってろブス!」と言われると、「黙ってたらただのイケメンになっちゃいます」と返す始末。

井上さんにダメージを与えようという悪意のあるリプライなのだが、当の本人はピンピンしている。むしろ、このやりとりを見ていたひとたちから絶賛の声があがり、井上さんの株はあがる一方。

twitterをやっている芸能人は誹謗中傷に悩み、twitterをやめるひともいるが、井上さんからはそんな気配を感じることはない。

よしもとブサイクランキングに3年連続1位を取っても、twitterで誹謗中傷にあっても、仕事がうまくいかなかったときでも、彼は毎日笑顔でいる。どうしてそんなことがあっても、表紙のような満面の笑顔でいることができるのか。彼の原点、そして生き方がこの本には詰まっている。

NON STYLEの井上嫌いだわー」と言ってるあなたも、これを読むときっと彼のファンになるのはまちがいない。

 

2.エロを笑いに変えたAV男優

AV男優しみけん ?光り輝くクズでありたい

AV男優しみけん ?光り輝くクズでありたい

 

男性ならば、一度は見たこと、聞いたことがあるだろう。AV男優しみけん。

本書は、しみけんさんのドキュメンタリーというよりも、撮影であったおもしろかった話やエロの豆知識、AVあるあるといった、いわばネタ本である。

エロは笑いになるというが、まさにその通りで、まあゲラゲラ笑える。

ある日、しみけんさんが帰るとツルハシで部屋に穴が開けられていたり、部屋の前が消火器でまきちらされて、床一面ピンクになっていたり、ナンパものの撮影中に、地元のコワーイお兄さんたちが乗り込んできて30万自腹を切ったり、すべらない話にでてきそうな笑えるエピソードが盛りだくさん。

この本がこんなにも笑えるのは、しみけんさんが持っている底抜けの明るさがあるからこそだ。あきらかに大変なエピソードを笑いに変える力、そして、読者を楽しませようとするエンターテイメント性を感じられる。

ルックスが男前なのは見ての通りだが、この明るさとひとを楽しませようとする姿勢がより一層モテる要因なんだろうなあと思う。

ちなみに本書を公共の場で読むとおもしろすぎて笑いをこらえなければならないので、家でこっそりと読むといいかもしれない。

 

3.マイナーリーグ?そんなの関係ねえ!

逆境を笑え 野球小僧の壁に立ち向かう方法

逆境を笑え 野球小僧の壁に立ち向かう方法

 

2011年12月1日。川崎宗則は、シアトルを本拠地とするマリナーズマイナー契約を結んだ。日本にいれば、ソフトバンクで打順は1番、守備の要であるショートを守り、チームの主将を務め、年棒は2、3億はくだらない。

しかし、彼はそれらを捨てて、海に渡った。師と仰ぐイチローの背中を追いかけるために。年棒は大きく下がり、しかもマイナー契約なのでいわば二軍スタート。しかも契約年数もたったの一年。福岡のプリンスと呼ばれた男にどう考えても不釣り合いの契約だった。

さらに、多くの野球評論家や関係者はこう言った。

「川崎は成功しない」「イチローを追いかけてマリナーズマイナー契約を結ぶなんてバカ」と。

2016年のシーズンもアメリカで野球をつづけることを表明したことに対し、評論家のドンである張本勲から「理解できない。日本でプレーすればいいのに」と言われた。

だが、当の本人はまったく気にしていない。たのしそうにアメリカでプレーしている。

 

マイナー契約にしても、メジャーのほうが環境がいい。マイナーの環境は劣悪だって、いろいろな人から聞かされた。いやいや、おれが求めるのは、野球ができる環境。移動が長時間のバスだから、食事がハンバーガーだから、それが何が問題ですかってこと。

アメリカでやりたいと思って、代理人に交渉は任せていたけれど、いつまでたってもオファーが届かない。その間、ずっと福岡で練習していた。ひとりで練習していたんだよ。そのほうが、どれほど劣悪な環境だったか。

マイナー?9人いるぜ。相手もいるぜ。審判もいるぜ。グランドもあるぜ。それっていったいどれだけ恵まれた環境なんだよ。 

 

本書の見どころはテンポのいい文体で書かれているところだ。とにかく読みやすい。そして、なんといっても川崎選手のあかるさを感じることができるところだろう。このエントリーを読んでいるひとが野球ファンならぜひ手にとってほしい一冊だ。

 

4.恋愛スキャンダルをネタにし、頂点をつかんだ秋葉のアイドル

逆転力 ~ピンチを待て~ (講談社 MOOK)

逆転力 ~ピンチを待て~ (講談社 MOOK)

 

サブタイトルが「ピンチを待て」なんだけど、指原さんが言うと説得力がある。

2013年のAKB48選抜総選挙で本命と言われていた大島優子さんを押しのけ、1位になった指原莉乃さん。会場、そして日本中がその結果に湧いた。

それもそのはず。2012年に恋愛スキャンダルが発覚したにもかかわらず、1位になったからだ。しかも、昨年の総選挙で4位になり、絶頂をむかえた直後に週刊誌にスッパ抜かれた。

まさに指原さんはピンチを迎えたわけだ。アイドルに恋愛はご法度。AKBで恋愛スキャンダルが発覚した場合は、解雇もしくは研究生に降格というきびしい処分が通例だ。だが、プロデューサーの秋元さんは彼女に前代未聞の通達をだした。

なんと福岡に拠点を置くHKT48への移籍を命じたのだ。当時、HKT48は2011年にできたばかりの新生で、チームとしてまだまだよちよち歩きの状態。衣装もAKBとはちがい、かわいい衣装を着ることすらできない。AKBで歩んできた環境とはまったく異なるきびしい地に行けと命じられたのだ。

指原さんはその通達を甘んじてうけ、HKT48に移籍する。そして、HKE48を盛り上げ、さらには2013年の総選挙で1位を獲得する。過去に恋愛スキャンダルが流出したアイドルが復活し頂点に返り咲くなんてことはあっただろうか。いや、ないだろう。それを指原さんはやってのけたのだ。

彼女はなぜどん底から復活できたのか。そして、指原さんはどのようにこのピンチをチャンスに変えたのか、それは本書を見てからのおたのしみ。

 

5.五十歳のさえないオッサンが女子高生に恋をした

守護天使

守護天使

 
守護天使 (宝島社文庫)

守護天使 (宝島社文庫)

 

50歳のオッサンが命をねらわれた女子高生に恋をし、彼女を守るために奔走する物語。本書のあらすじをざっくりいうとこんな感じだ。しかし、オッサンと女子高生というキーワードだけでも危険なにおいがプンプンしてきそうなのに、恋をするなんてけしからん!と普通のひとは思うだろう。

だが、本書はきわめて純愛ストーリーだ。主人公の啓一は、ヒロインの女子高生とムフフな展開があるわけでもないし、そもそも啓一自身彼女と付き合ってイチャコラしたいわけではない。彼女の笑顔をまもりたいという一心で、仲間たちの力を借り、彼女の影から支えつづける。

「女子高生」と「オッサン」このふたつの危険なワードを混ぜたにもかかわらず、純愛に昇華したところに本書のすごさを感じることができる。

そして、なんといっても本書の見どころは啓一の成長していく姿だろう。啓一の日常はこうだ。鬼嫁勝子に一日500円の小遣いを貰い、家に帰っては子どもたちにバカにされ、仕事先でもこき使われる毎日。そのたびに啓一は「まあ、仕方ない」とつぶやき自分をなっとくさせる。

いつも後ろ向きですぐにあきらめる啓一だが、彼女と出会ったことでおおきく運命が変わっていく。啓一の成長してゆくすがたをしっかりと噛みしめながら本書をよんでほしい。

 

6.将棋の神様をおいつめた男

聖の青春 (角川文庫)

聖の青春 (角川文庫)

 

あなたはプロ棋士に7つのタイトルがあるのを知っているだろうか。「名人」「竜王」「棋聖」「棋王」「王位」「王座」「王将」の計7つ。そのうちの「名人」と「竜王」のタイトルは格が高いといわれている。

そして、この7つのタイトルを1995年に総ナメしたのが羽生善治さん。くもん式で有名なあの羽生さんだ。7冠を手にした羽生さんは将棋の神さまといっていいだろう。その羽生善治が手にした名人のタイトルを幼いころから夢見ていたひとりの男がいる。

それが本書の主人公の村山聖だ。村山さんは、幼いころに不治の病であるネフローゼにかかる。じぶんの運命を嘆くも自身の命が長くないと悟り、一発発起しプロ棋士を志すことに。病気の身体にムチを打ち、見事プロ棋士となる。プロ棋士になってからも、村山さんは恐るべき快進撃でライバルたちを次々と倒してゆく。

そして、羽生善治が持つ「名人」のタイトルにあと一歩のところまでたどり着くが、進行性膀胱癌が見つかり、一年間の休養をとることになる。しかし、ふたたび彼が将棋の世界にもどることはなく、29歳の若さで死去。

本書は決して悲劇の物語ではない。たしかに村山さんは亡くなった。しかし、彼の生き様はすさまじい。病が悪化しても、考えることはいつも将棋のことばかり。膀胱癌が見つかったときも、医者に入院をすすめられるが「脱走してでも行く」と言い、対局に挑んだ。

死ぬ瞬間まで将棋に情熱をかかげ、懸命に生きたひとりの男はどのような人生をたどってきたのか。本書を読んだとき、きっとあなたは心震わされるだろう。

 

7.これからの性についての話をしよう

ワイセツって何ですか? (「自称芸術家」と呼ばれた私)

ワイセツって何ですか? (「自称芸術家」と呼ばれた私)

 

自身の女性器を型どりデコレーションした立体作品をつくっているアーティスト、ろくでなし子さん。昨年の7月にわいせつ電磁記録頒布罪の疑いで逮捕され、すぐに彼女の釈放を要求する署名活動が立ち上がり、1日で1万5000人の署名が集まったのはみなさんもきいたことがあるのではないだろうか。

 

本書は、その逮捕されたときの様子や留置所にいたときの出来事、自身の活動のきっかけなどについて漫画で描かれている。こんなにもポップな逮捕記録があるのかっていうくらい明るい。しかも漫画だからサクサクよめる。

そもそも、彼女はなぜ女性器を型どったグッズを販売したり、じぶんの女性器を型どったボートをつくったりしているのか。きっかけはノリだったという。

あるとき、漫画家を志すようになったろくでなし子さん。ところが、デビューしても鳴かず飛ばずの毎日。「なにか漫画のネタにならないか?」と思いながらネットサーフィンをしているときに、ふと思いつきます。陰毛エステについて調べよう!と。

陰毛エステについてググると、女性器の整形がヒット。

それを見たろくでなし子さんは「おもしろい!」と思い、即座に整形手術を決意。身近な友人に顔の整形をしたひとがいたため、顔も体も女性器もかわらないと思い、手術に抵抗はなかったという。そして、その話を出版社に持ち込んだところ、即OK。

すると、当時の担当から続編を書いてほしいとの依頼が。ネタに困ったろくでなし子さんのとった行動が

「もうネタないし、美しくなったまんこの型でもとってみるかー」

かるい、かるすぎるw そして、なぜそんな発想になるのかww

と、まあこんな調子で本書は構成されている。まんがだから読みやすいし、30分くらいで読めるのであたまを休めたいときに読んでみるといいのではないだろうか。

 


 

というわけで、以上7冊を紹介しました。「聖の青春」以外はケラケラ笑える箇所がけっこう多いです。これを読んで「クリぼっちなんてなんじゃーい」と思えたら、あしたからリア充なんて怖くないっ。