読書めも

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【#89】サマンサタバサ 世界ブランドをつくる 寺田和正

サマンサタバサ 世界ブランドをつくる

サマンサタバサ 世界ブランドをつくる

 

内容と読書メモ

セレブという言葉を日本で広めた寺田和正さんの著書。サマンサタバサ の創業物語というよりも、「ブランディングの仕方」「ブランド作り」といったことがメインでした。

キレイな水色でコーディングされた表紙にタイトルと著者の名前が白色で書かれていますが、実は水色と白のコントラストはサマンサタバサのブランドカラーです。ちなみに、本のしおり紐も白です。

第一章にあるこの文章がすごく印象的でした。

 

ブランド=付加価値があること

私は、付加価値をケーキのようなものだと考えています。まずは、みんなが欲しいと思うようなおいしいケーキをつくることが大切。ワンホール、ケーキをつくる。それが売れていきます。おいしいから食べていただけます。

 

でも最後に絶対なくなるんです。私たちがしなくてはならないことは、ケーキがなくなる前に、もっと大きな、これまでと違う味のケーキをつくること。みんながケーキを全部食べ尽くしてしまってから「さあ、新しいケーキをつくろう」と思ってももう遅いんです。みんながそのケーキをおいしいと言って食べてくれているときから、次のケーキのことを考えていなければならない。どういう生地を練って、どういうフルーツを入れるのか。当然、流行には応える必要があります。 

 

前のケーキがなくなる前に新しいケーキをつくって出す。そのケーキをみんなが食べてくれているあいだに次のケーキを出す。。。。

 

付加価値を食べきってしまわれないよう努力すること。つねに流行の絶頂期で、次の新しいケーキを打ち出していけるよう心がけています。前のケーキは残っていてもかたしてしまう。ここでの"やめることへの勇気"というのが非常に大事なんです。

 

また、ブランド作りをするうえで、「たたずまい」が大切と言っていました。たたずまいとは一体なにか?

 

私たちは、ブランドとしてのたたずまいがあるモノを作ろうとしています。

 

「たたずまい」これは、理屈では説明できません。そのブランドの商品がショップに置かれているとき、その商品は凛としているか、そして輝きを放っているか。私はブランドとして「良いもの」を考えるとき、そうした「たたずまい」を大切にしているんです。

 

お客様が選んだ瞬間、その商品は光っているはずなんです。「私、ここにいるよ」「買って!」と主張しているものだと思います。輝いているんです。ショップでそうした輝きを放てるたたずまいを持っている商品が、「良いもの」だと私は考えているんです。

すごく共感した。商品が「買って!」と訴えかけるようなモノに出会ったことがある。中学生のときに野球のバットをスポーツ用品店に買いに行きました。事前にどんなバットを買いに行くか全くイメージしていなかったけど、バットはものの5分で選べることができました。

自分が欲しいと思ったバットに吸い寄せられるように近づき手にとって「あ、これがいい」って思いました。すぐにそのバットを買いましたからね。

 

寺田さんは、モノ作りだけでなく、店舗作りに関してもこだわりを持っています。

ショップとは、商品が初めてお客様の目に触れる場所です。そしてブランドとお客様唯一の、直接の接点です。店づくりのうえで大切なのは「お客様が商品と出合う時間をいかに楽しく演出するか」ということではないでしょうか。

ブランド作りやブランディングといったことがメインだったので次は、サマンサタバサの創業物語が書かれている「勝利の方程式を変えなさい」を読んでみようかと思います。

3年に一度は「勝利の方程式」を変えなさい

3年に一度は「勝利の方程式」を変えなさい