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読書めも

読んだ本の感想をぼちぼち書いてます

三国志の「桃園の誓い」はまっかなウソだった?《中国の歴史04 三国志の世界》

中国の歴史04 三国志の世界(後漢 三国時代)

中国の歴史04 三国志の世界(後漢 三国時代)

 

三国志をよく知らないひとも「桃園の誓い」くらいは聞いたことがあるのではないだろうか。三国志の序盤に、劉備張飛関羽の三人が義兄弟の契りをむすぶ。そして、三人は口をそろえてこう言った。

「我ら天に誓う 我ら生まれた日は違えども 死す時は同じ日 同じ時を願わん」

これがあの有名な「桃園の誓い」だ。三国志は、この桃園の誓いから物語が動きだす。

 

ところが、この「桃園の誓い」がまっかなウソだったとしたら、どうだろうか。まっかなウソというと語弊があるかもしれないが、この「桃園の誓い」はフィクションだ。史実ではない

そのほかにも、劉備諸葛孔明のもとを三度にわたって訪れ、軍師としてむかえた「三顧の礼」、赤壁の戦いのときに龐統曹操に授けた計である「連環の計」、呂布董卓を手だまにとり、仲違いをさせた「貂蝉」という人物、これらもすべてフィクションだ。

「???」と思ったひともいるだろう。現在ぼくたちがふつうに「三国志」と呼んでいるものは、14世紀のひと羅貫中が書いたとされる「三国志演義」のことだ。つまり、三国時代をおもしろおかしく取り扱った小説というわけだ。

そして、「三国志」というのは「三国志演義」のことではなく、三国時代が終わった直後、三世紀末の歴史家、陳寿が著した歴史書であり、中国歴代の史実をつづったいわゆる正史のひとつである。

本書は、「三国志」を取り扱っている。つまり、史実を研究したものであり、三国志演義で紹介されるエピソードのどれが創作で、どこまでが史実にそって描かれているのかを知ることができる。あなたが三国志演義ファンならば、きっと歴史の答え合わせをしているような感覚をおぼえるだろう。

また、三国志演義ではろくに説明されないまま死んでいったキャラや「そういえば、あいつ何者だっけ」と思うような脇役キャラについてもくわしく書かれている。

たとえば、序盤にでてくる劉備の師である慮植、大将軍になったけどすぐ殺された何進何進を殺した十常侍(じゅうじょうじ)などなど。そんなキャラクターたちの知られざるエピソードを知ることができる。

もちろん、主要キャラの知られざるエピソードも盛りだくさんだ。孫権が姪をじぶんの嫁にもらった(中国ではタブー)、関羽の武器である青龍偃月刀はフィクションだし、呂布からうばったとされる赤兎馬にも関羽は乗っていなかったなどなど。

本書の魅力はそれだけではない。当時の外交や内政、宗教や文化など、数多くの視点から三国志の世界を知ることができる。いわば、三国志の解体新書といってもいいだろう。それくらい詳しく書かれている。

なんにせよ三国志ファンにとっては、手元におき何度も読み返したい一冊である。

三国志〈1〉英傑雄飛の巻

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三国志全30巻漫画文庫 (潮漫画文庫)

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