読書めも

読んだ本の感想をぼちぼち書いてます

アフガニスタン紛争で馬に乗って戦ったアメリカ兵の話《ホース・ソルジャー 米特殊騎馬隊、アフガンの死闘》

 イラク戦争で戦い、その後アメリカ軍を脱走した元兵士の本を去年読んだ

 

yukiumaoka.hatenablog.com

 

この本はイラク戦争での影の部分について書かれており、アメリカ兵が戦争と無関係な市民の家に踏み込み金品を略奪したり、女性への性的暴行などを行っていたことが明らかとされた。

一連の出来事を見ていたジョシュアキーさんは、これが正義のための戦争とは思えなくなり、家族を連れてカナダへ脱走することを決意する。非常に胸が痛くなる内容であり、戦争の裏側を書いた興味深い本だ。

 

ホース・ソルジャー―米特殊騎馬隊、アフガンの死闘

ホース・ソルジャー―米特殊騎馬隊、アフガンの死闘

 

 

今回読んだ本は戦争の影の部分でなく、光の部分について描かれた本だ。『ホース・ソルジャー』を読んだ。イラク戦争が起きるまえのアフガニスタン侵攻を題材としている。9.11が起き、ブッシュ元大統領がアフガニスタンとの戦争を宣言したわけだが、アフガニスタン入りを最初に果たしたのがたった12人の兵士であったことは知っているだろうか。

 

2001年9月11日、世界最大のタワーを誇るワールドトレードセンターにアメリカン航空ボーイング767号が突入し、爆発炎上した。事件の首謀者がウサマ・ビン=ラーディンとアルカイーダと発覚し、アメリカ政府は当時アフガニスタンを支配していたタリバン政権にかれらの身柄を渡すよう命じる。
しかし、タリバン政権はこれを拒否、当時の大統領ジョージ・W・ブッシュアフガニスタンとの戦争を宣言する。ひそかにアフガニスタン入りを命じられたのはたった12名のアメリカ特殊部隊(グリーンベレー)。かれらに与えられた任務は、タリバン政権の抵抗勢力である北部同盟と連携し、武装勢力を一掃すること。
ところが、3つの部族によって構成される北部同盟の総司令官であるアフマド・シャー・マスードがアルカイーダによって暗殺される。マスードの死によって、北部同盟内で利権争いが勃発。
そんな中、いざ特殊部隊がアフガニスタン入りをしたものの、現地の山々は険しく、慣れない馬に乗って戦わなければならなかった。
現場指揮官であるミッチ・ネルソン大尉は出立まえに上官からこう命じられたことを思い出す。「誰も信じるな」と。この戦争でいったい誰を信じていいのか。12名の兵士たちは任務を無事遂行することができるのか。500ページにわたるこの傑作戦争ノンフィクションをとくと味わうといい。

 

特殊部隊(グリーンベレー)という言葉はおそらく聞いたことがあるだろう。特殊部隊はゲリラ戦を得意とし、ほかの兵士とは役割が異なる。

 

戦闘、外交、そして国家建設。戦争を遂行し、死者の数を勘定したあとは人道的支援を行うよう訓練されている。兵士でもあり、外交官でもある。衛生兵は歯医者もやって、村人の歯を治療する。さまざまな爆発物を扱うのが専門家の工兵は、村の橋を架け直したり、役所を建てたりできる。現地の言葉を話し、信仰、性、健康、政治にまつわる地元のしきたりをたゆまず勉強する。(中略)

SEALや正規軍はだいたいにおいて、相手国の言語や習慣や微妙なちがいを学ぼうとしない。それに反して、特殊部隊はまず考え、撃つのは最後になる。芯は強いが、相手をできるだけ傷つけずに物事をやり遂げるーそれが特殊部隊なのだ。

 

武器を使った解決でなく、平和的解決を第一とするのが特殊部隊。そんなかれらが先遣隊としてアフガニスタンに送られたわけだけど、じつはアメリカ至上初の試みだった。

CIAが北部同盟との裏工作を進め、特殊部隊が現地で拠点をつくり、ターリバンの基地を発見し、それを空軍に連絡。そして、空軍の爆撃と地上軍(北部同盟+特殊部隊)による同時攻撃。これがアフガニスタン戦争におけるアメリカ軍の作戦だった。このことについて、500ページにわたって書いてあるんだけど、いかんせん長い。とにかく長い。

特殊部隊員ひとりひとりの背景はもちろん、本書は9.11が発生したときから描かれているから、読み手の体力がないとすこしキツい。

とはいえ、アフガニスタン戦争がどのように始まったのか、現地の兵士たちはなにを考え、どのような行動をしたのか、そんなことについて詳しく書かれているからアフガン紛争に関心がある人にとっては興味深い一冊だろう。

北部同盟のモハケク、ヌール、ドスタムの3者の利権争い、兵士にとっての最大の敵であるマスコミとの攻防、カラァイジャンギーの攻囲戦、語りたいシーンはいくつもある。興味がわいたらぜひ挑戦してほしい一冊だ。

 

冬の兵士―イラク・アフガン帰還米兵が語る戦場の真実

冬の兵士―イラク・アフガン帰還米兵が語る戦場の真実

 

読書めも

・マザーリシャリーフの現在の治安は回復。青のモスクが有名。

・アフガンにそびえ立つ山々が高くヘリコプターを飛ばすことができない(高すぎると気象を予測することが難しい)

ソ連がアフガン侵攻→多くの難民が発生→ここでタリバンが誕生。オレらの国を作る!と意気込みタリバン政権が誕生→しかし...

・アフガン紛争で活躍したグリーンベレーの隊員の多くはイラク戦争にも派遣されその多くが死亡した

関連書籍

yukiumaoka.hatenablog.com

yukiumaoka.hatenablog.com

広告を非表示にする