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読書めも

読んだ本の感想をぼちぼち書いてます

2016年ピカいちのノンフィクション《裁かれた命 死刑囚から届いた手紙 堀川恵子》

ノンフィクション ノンフィクション-事件
裁かれた命 死刑囚から届いた手紙 (講談社文庫)

裁かれた命 死刑囚から届いた手紙 (講談社文庫)

 

感想

2016年に読んだ本は現時点で数冊なんだけど、すでに2016年ピカいちのノンフィクション(になるだろう)だった。「裁かれた命 死刑囚から届いた手紙」を読んだ。

読もうと思った理由は、あらすじが気になったから。ただそれだけだ。

 

1966年、強盗殺人の容疑で逮捕された22歳の長谷川武は、さしたる弁明もせず、半年後に死刑判決を受けた。独房から長谷川は、死刑を求刑した担当検事に手紙を送る。それは検事の心を激しく揺さぶるものだった。果たして死刑求刑は正しかったのか。人が人を裁くことの意味を問う新潮ドキュメント賞受賞作。

 

死刑を求刑した検察官に手紙を送った死刑囚という箇所も気になったのだけど、なによりも人が人を裁くことの意味を問う、というところがぼくのこころを掴んだ。まあ、それはぼくが法学部出身だからなのかもしれないけれど。

 

本書のあらすじは、前述したとおりだ。長谷川武さんが強盗殺人を犯したのはまちがいない事実であり、冤罪ではない。小さな娘をもつ母親の命を奪ったことは消えない事実だ。

だが、本書を読んでいくなかで、長谷川武という人物を知っていくと、決して極悪非道な人物ではなく、手先の器用で純朴な青年ということがわかってくる。そして、彼が検察官とやりとりした手紙を見ると、ここで死なせてはいけない人物だと思わされる。だからこそ、彼がなぜ殺人を犯してしまったのかと読んでいる途中に何度も思った。

本書は「裁かれる者」と「裁く者」に特化し、事件の被害者とその家族については触れていない。つまり、裁判を多角的な視野から考える内容とはなっていないのだ。でも、「裁かれる者」と「裁く者」に特化したからこそ見えてくるもの、感じるものがそこにはある。

死刑の重み、更生と罰のバランスのむずかしさを感じるこの一冊、法学部に通うひとはもちろん、法律に興味があるひとには必読の本だ。

追記

以前、id:fujipon さんの「罪をつぐなう」ということという記事を読んだ。これは、酒鬼薔薇聖斗事件を起こした少年Aが絶歌を出版したときに書かれたもので、id:fujipon さんが、少年Aはどうしたら罪をつぐなうことができるのかと問いかけ、「罪をつぐなうこと」「ひとが更生すること」について考察する、そんな記事だ。罪をつぐなうことのむずかしさ、法制度の限界、そんなことを考えさせられた。

fujiponさんの記事、すごくいいから合わせてよむといいよ( ・∀・)ノ

fujipon.hatenablog.com

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