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読書めも

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AKBはなぜ総選挙をはじめたのか?《AKB48の戦略!秋元康の仕事術 秋元康×田原総一郎》

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AKB48の戦略! 秋元康の仕事術 (田原総一朗責任編集)

AKB48の戦略! 秋元康の仕事術 (田原総一朗責任編集)

 

「わたしのことは嫌いでも、AKBのことは嫌いにならないでください!」

「後輩に席を譲れという方もいるかもしれません。でも、譲れないと上がれないメンバーはAKBでは勝てないと思います...潰すつもりできてください。私はいつでも待っています。」

「もう背中を押してくださいとは言いません。ついてきてください。」

上記のことばは、AKB48選抜総選挙でAKBのメンバーが実際に語ったことばだ。ひとつめは、前田敦子。ふたつめは、篠田麻里子。みっつめは、大島優子

思えば、AKB48は次々とあたらしいことに取り組み、ファンや社会を驚かせてきた。会いに行けるアイドルというコンセプトをかかげ、秋葉原にある劇場で毎日公演をしたり、握手券付きCDアルバムの販売、選抜総選挙やじゃんけん大会の実施、アイドルの裏舞台に密着したドキュメンタリー映画の製作。

これらの企画の責任者であり、AKBをヒットさせたのはプロデューサーの秋元康さん。本書は、その秋元さんがAKBをヒットさせるためにどのような戦略をとったかということについて書かれている。

選抜総選挙やじゃんけん大会なんかは、一見奇抜な企画に見えるが、これらはファンの気持ちをしっかりと聞いたうえで実施している。

 

秋元前田敦子をセンターにすると決めた頃、劇場のロビーに座ってファンに話を聞いたんですが、毎回「秋元さん、なぜ前田敦子なんですか?」「なんであの子は入らないんですか?」とすごく言われました。

じゃあオールスター夢の球宴みたいな人気投票をやろうと。プロ野球のオールスターは、バッター王・長嶋にキャッチャー野村克也という、まさにファンが夢見たお祭りでしょう。それを一回やってみて、足の引っ張り合いみたいなことが始まったり、やる気を失っちゃう子がいたりしたら、やめようと思っていたんです。

ところが、予想外だったのは、彼女たちに自覚が出てきた。テストなしで全員の個性を伸ばしますよという学校で、みんな自分はそこそこの成績だと自信を持っていたところに校内テストをやって、50番や200番という順位がわかったようなものです。

みんな勉強してたんだ、自分ももっとちゃんと勉強しなくちゃダメだと、自分の位置を知ることができた。これはよかったですね。彼女たちも、進学校の実力試験という理屈がわかっただろうと思います。

 

じゃんけん大会もおなじような話だ。選抜総選挙を実施したら、いつもメディアに出ているメンバーが選挙で票を集めやすいから、不公平だ!という声を秋元さんが聞き、運に任せるじゃんけん大会を企画した。

ちなみに選抜総選挙ではとてもつもない重圧がメンバーにかかるので、総選挙までに体重が落ちたり、吐き気が止まらなかったり、当日のスピーチで泣き出してしまうメンバーが出るのも有名な話だ。

そして、自分の順位に落ち込む子に対して、専門の臨床心理士スクールカウンセラーの体制を整えており、メンバーへのケアも裏でしっかりとしている。

 

そんなAKB48はこれからどんな方向に向かっていくのか。後半の田原さんの質問がすごくよかった。

 

田原:秋元さんは生涯AKBですか?

秋元:いやいや。やっぱりAKB48のサプライズでいちばん驚くのは「秋元泰、今日をもってAKBを卒業します!」かなと(笑)。ほんと、僕は卒業すると思いますよ。

田原:秋元さんが卒業したら、パニックになるよ(笑)。冗談じゃないと。

秋元:僕はAKB48の創業者か初代校長かもしれないけど、たぶん、ある程度の形ができたところで僕が交代して「秋元はスパルタでやったけど、今度のAKBはこう変えたいんだ」という人が出てこないと、逆に続かないと思いますね。これはAKBの宿命です。AKBを守ろうとすれば、それはAKBの進化を止めることでしょう。そのときAKB48は終わるんです。

 

以前秋元さんはAKB48のことをひとつの学校だと言っていた。生徒たちは、AKBという学校に入学して、アイドルの道をそのまま進むのもよし、女優の道に進むのもよし、声優になるのもよし。AKBで色々なことを学び、そこで様々な体験を経て、自分の進路を決める。そういう場所でありたいとどこかのインタビューで答えていた。

生徒たちは当然卒業をいずれ迎える。前田敦子大島優子篠田麻里子といった神7と呼ばれる人気メンバーは次々と卒業をしていった。そう考えると、校長もどこかに赴任するのは当然のこと。

でも、そう考えると2代目が大変。なぜなら、絶対に秋元さんと比較されるだろうから。そういった意味で、秋元さんが後継者をどうやって育てていくのか、またどういうひとに2代目校長になってほしいのかといったことを話してほしかった(それについては書かれていなかった)。

創業者であり、AKBの産みの親である秋元さんが卒業するのもひょっとしたら近いのかもしれない。秋元さんが卒業したときに、AKBがどう舵取りをするのかすごくたのしみだ。

 

読書メモ

1.企画で奇をてらうのはよくない

奇をてらったり裏をかこうとすると、必ず「裏なんだ。裏なんだ」と、反対向きのこれまた予定調和になっていくから。たとえば、「AKB48は清純なアイドルです。だから、奇をてらってストリップショーをやりましょう」と言っても、それは振り子が正反対に振れるだけだから、すぐに想像できてします。

2.リーダーは、わからないと言ってはいけない

田原:リーダーとしてやっていけないのは、どんなことですか?

高橋:私は「わからない」って言っちゃダメだな、と思っています。たとえば、今日は何をやるのとか、この曲の次は何なのというとき。そういうときは必ず「ちょっと待ってもらっていい」と言って、私が聞きにいき、みんなに答えを教えるようにしています。

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