読書めも

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田村淳がモテるたったひとつの理由《35点男の立ち回り術 田村淳》

35点男の立ち回り術

35点男の立ち回り術

 

内容

<主な内容>

第1章 コミュニケーション術1・いじめられっ子の田村淳がロンブー淳になるまでに考えた立ち回り術

第2章 コミュニケーション術2・人の輪を広げるためのネットでの立ち回り術

第3章 コミュニケーション術3・ネットで寄せられた質問に答えます

第4章 『田村淳のニッポン異論・激論』(日経エンタテインメント!連載コラム2013年9月号~2015年6月号の再録&“当時を振り返って思うこと”)

感想

ぼくは、田村淳がすきだ。なぜなら、歳を重ねるにつれてかっこよくなっているからだ。現在、淳さんは41歳。20代のときより、30代、30代のときより40代の田村淳のがかっこいい。むかしはイタズラ好きの悪ガキという印象だったが、いまではオシャレなMCのような感じがする。

たとえば、

1. 顔つきが少しづつ知的な感じに。

20代の淳さんは、短髪の赤髪だった。相方の亮さんは金髪で、キケンなコンビとして売り出していた。クラスにひとりはいるやんちゃする生徒のようで、はっきりいって当時ぼくはにがてだった。

30代のときのイメージは、数々の女性と浮名を流していて、チャラさを前面にだしてる感じだった。それが、30代後半になってくると、だんだん知的な感じに。このころから、すきになっていたような気がする。でも、それは知的なひとがすきというわけではなく、やんちゃ男から知的な感じな男へとシフトしていった過程がいいとおもったのだ。

2.ツッコミかたがスマートな芸風に。

20代、30代前半の淳さんの芸風は、さんまさんに似ていた。いわゆる張り芸というやつだ。わるくいえばやかましく、よくいえば、にぎやかな感じに場を盛り上げていた。

だが、いまはちがう。冷静なツッコミやひとをまとめる感じの芸風に変化していったような気がする。冠番組のロンドンハーツでは、有吉さんをレギュラーに据えることで、かれが吐く毒をひろったり、それをつっこんだり、ほかの出演者の発言をきれいにまとめるような役割に(もちろん過激な企画がすくなくなったことや有吉さんをレギュラーに置いたことの変化もあるだろうけど)。

たとえが正しいかわからないけれど、淳さんをみていると、まるでRPGの勇者のレベルが徐々に上がっていっているようにみえる。え!野菜ソムリエの資格とったんや!?みたいな。レベル上がって、この装備身につけられるやんみたいな。

 

そんなことを以前からぼんやりと考えていた。しかし、本書の冒頭で、そのぼんやりとしたものがはっきりとカタチとなって分かった。

ボクは、"35点男です"。自分という人間に点数をつけるなら、100点満点で、そのくらいかなと思っています。平均点が50点くらいだとしましょう。ボクなんて、特に抜きん出た才能があるわけじゃないし、大卒でもない。身長も低い、顔もハンサムじゃない。それでもここまでやってこられたのは、自分なりの立ち回り術を考えたからです。(中略)

ボクは、35点から楽しみながら加点しているだけの男です。(中略)

そしてボクは、平均点以下、赤点ギリギリの男と自覚して、開き直りました。35点男の誕生です。そうしたら、「自分には足りないことばかりなんだら、それを悔やむより、欠点を補うために、まずは5点ずつアップできるように努力しよう」と前向きに考えられるようになりました。

そう、淳さんはじぶんを35点の男と自己評価しているのだ。じぶん自身の点数を受け入れ、そしてそこから点数を上げることをたのしんでいる。だから、歳を重ねるにつれてじぶんがかっこよくなっているのだ。

35点だからといってめげるわけでもなく、そっから加点していけば100点になれるじゃんと。なによりも、その加点のプロセスをたのしんでいる。だから、40代から50代になっても、50代から60代になっても、きっとそれをたのしみ、じぶんをよりかっこよくしていくのだとおもう。

そんな田村淳がぼくはだいすきだ。