夢をかなえるには時に痛みがともなう。それでもあなたは夢をかなえたいか?《夢をかなえるゾウ3 水野敬也》
内容(アマゾンより)
お待たせしました第3弾! 今回の主人公は夢に恋するOLさん。女性が抱く、仕事や恋の悩みにも容赦ないガネーシャ流成功法が冴えわたる! (本人談)。言うとくけど、今回の教えはめっちゃスパイシーやで!
感想
夢をかなえるゾウの三部作が完結したと言ってもいいだろう。「夢をかなえるには、時に痛みがともなう 」きっとこれが夢をかなえるゾウ3のメッセージだ(ぼくが思う)。
よく夢をかなえるゾウは、一作目だけがよくて二作目と三作目はダメだといわれているけど、それは作品同士を比較しているからだ。夢をかなえるゾウはそれぞれを比較するものではない。映画ロードオブザリングが三部作のように、夢をかなえるゾウも三部作なのだ。
だから、1があるから2があり、そして3へと繋がっていくのだ。この繋がりがぼくはすきだ(もちろん、主人公はそれぞれちがうのだけど)。
夢をかなえるゾウ1では「夢をかなえる成功の秘訣なんてない」
夢をかなえるゾウ2では「夢のかなえ方は決してひとつだけじゃない」
これらをメッセージとしていた。
1では、平凡な人生を送っていたサラリーマンがガネーシャから夢のかなえ方を教えてもらい、ひとつずつ教えを実行していくが、ガネーシャの教えはなにも特別な教えではなく、そこらの自己啓発本に書かれたことと突きつけられる。そして、夢をかなえる方法はなにも特別なことではなく、地道にひとつずつ行動したものだけが、夢をかなえれるんだよーって話。
2では、なかなか売れないお笑い芸人をやっている男性が主人公。彼もまたガネーシャの教えを受け、ひとつずつ実行してゆく。でも、どうしても超えれない壁にぶちあたる。そして、主人公はけっきょくお笑い芸人を辞め、テレビのディレクターとして「お笑い」の世界に携わることに。お笑い芸人になってテレビに出ることだけがじぶんの夢のかなえ方ではないっていうことを悟った主人公は、「お笑い芸人になる」選択肢をえらばず、「裏方としてお笑い芸人をサポートする仕事」という決断をするというお話。
そして、3ではシリーズ初の女性が主人公。少しづつ少しづつ負けを溜めたにもかかわらず、一発逆転できると心のなかでおもっているようなひと。そんなひとにガネーシャは、痛みのともなう教えを授けていく。まるで「おまえのようなやつが逆転するには、痛みがともなわければならない」といっているかのように。本書の帯にかかれているように、今回のガネーシャの教えはスパイシー。
そんなスパイシーの教えは、ぜひ本書で確認してほしい。読み終えて、舌がピリッとするような感覚をおぼえるかもしれない。
読書メモ
「みんな『夢』ちゅう山の頂上に向かう道は一本や思てる。ー自分が園山くんのことだけ追いかけとったみたいな。でも、ほんまはちゃうねん。それ以外にも、山頂に至る道はたくさんあんねん。そんで一つの道を行ってみて違うて分かったら、他の道が見えてくる。それを繰り返しながら登って行けば、最後は必ず山頂にたどりつけるんやで。」
ガネーシャは続けた。
「そんで、山頂に立ったとき初めて分かんねん。『自分が来るべき道はこれだったんだな』て。『無駄な出来事なんて一つもなかった。この場所に来るために、全部必要なことだったんだな』てな」