読書めも

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放射能ってなんだか怖いはもう卒業しよう《知ろうとすること 糸井重里 早野龍五》

知ろうとすること。 (新潮文庫)

知ろうとすること。 (新潮文庫)

 

内容紹介

福島第一原発の事故後、情報が錯綜する中で、ただ事実を分析し、発信し続けた物理学者・早野龍五。以来、学校給食の陰膳(かげぜん)調査や子どもたちの内部被ばく測定装置開発など、誠実な計測と分析を重ね、国内外に発表。その姿勢を尊敬し、自らの指針とした糸井重里が、放射線の影響や「科学を読む力の大切さ」を早野と語る。未来に求められる「こころのありよう」とは。文庫オリジナル。

感想

糸井さんと早野さんの対談形式でおくる「放射能」についての入門書って感じでした。文字数もそんなに多くないし、対談形式だからすごくよみやすい。ふたりの会話のキャッチボールをちかくでぼーっとながめている感じ。それがこの本の魅力だとおもう。

というのも、本書は「セシウム」や「原発の燃料であるウラン」、「内部被曝外部被曝」などザ・理系って感じの用語がでてくるんだけど、素人の糸井さんが専門家である早野さんにきくから、むずかしいイメージが緩和される(それでもところどころむずかしいところはあったんだけど)。

 

糸井さんが、序章でこの本のメッセージのようなことを言っていた。

糸井:でも、放射能のことを闇雲に怖がっていても先に進めないんです。いま必要なことは、事実を知って正しく怖がることなんだと思います。早野さんのような人にきちんと噛み砕いてもらって、ちゃんと怖がるために、本当に危なかった、という話はちゃんと踏まえた上で、「科学的に正しい事実を、人間が暮らすという視点から見てみよう」ということが、必要だと思うんです。

セシウム」や「原子力」っていう言葉をきいただけで、なんだかムズカシそうだし、なんだか怖そうな感じ。でも、きっとそれをこの本が解決してくれるのではなかろうか。