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読書めも

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これぞコンビ愛!M-1グランプリ2007年を制したサンドウィッチマンの自伝 《敗者復活 サンドウィッチマン》

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敗者復活

敗者復活

 

 日本でいちばんおもしろいやつを決める大会、M-1グランプリ。もう閉会してしまったけれど、賞金1000万円、審査委員席にお笑いのカリスマ松本人志さんが座り、審査委員長は漫才ブームを起こした島田紳助さん、そして数々の売れっ子芸人を生み出したこの大会をぼくは忘れることはないだろう。

 2001年に始まり、2010年に幕を閉じたこの大会。2007年度に優勝したコンビがサンドウィッチマンであり、敗者復活戦から優勝をもぎ取った唯一のコンビだ。この敗者復活戦から優勝することは、通常ありえない。なぜなら、敗者復活戦からの優勝は基本的になく、優勝するならば圧倒的な実力を他の参加者に見せつけなければならないからだ。だが、彼らは優勝した。それは圧倒的な実力を持っていたからだ。

 当時審査員であったオール巨人さんは彼らの実力をこう評していた。

なぜ彼らが準決勝で負けたのかがわからない。

 つまり、決勝に出てきておかしくないコンビだったということだ。それくらいの実力を持っていたサンドウィッチマン。だが、当の本人たちは優勝できると思っていなかったという。

一緒にライブをやっていた芸人や、後輩コンビが、次々に売れていった。ただ唇を噛んで、背中を見送るだけだった。芸人としての年収はずっと数万円だった。結婚したいと思っていた彼女と別れた。パチンコにはまった。借金もあった。富澤が自殺しそうなときがあった。解散の危機もあった。あっという間に、コンビ結成から9年が経った。漫才コンテストの受賞歴はない。レギュラー番組もない。若くもない。ルックスは決して良くないし、テレビでの知名度はほとんどゼロ。

 

そんな僕らが、漫才で日本一になって、たった一夜で有名コンビになれるなんてー予想できるわけがないだろ?

 

 本書は、サンドウィッチマンの自伝だ。彼らがどのように出会ってコンビを結成し、M-1で優勝するまでの道のりが書かれており、時系列に沿ってふたりが話してゆく構成となっている。伊達さん(金髪のほう)が高校時代のことについて語ったら、次のパートで富澤さんがまた高校時代のことについて語るといった感じだ。同じ出来事について話していても、2つの違った視点で語られているので、おもしろい。

 ふたりがおなじ時系列に沿って話していることもあり、お互いの話がよく出てくる。読めばわかるのだが、お互いを思い合っているだなぁと感じさせられた。とにかくほめあっている。きっとこれがコンビ愛というのだろう。まあM-1で優勝するまでおなじアパートに10年間同居していたくらいの仲だから当然といえば当然なのかもしれない。「仕事仲間と同居するなんて!」と思う方もいるだろうが、彼らは同居していたからこそ、辛い時期を乗り越えれたという。

富澤:伊達とふたりで暮らしていたことも大きいだろう。外で嫌なことがあっても、家に相方がいたら気が紛れる。精神的なトゲトゲが、家に誰かひとりいるだけで緩衝されるんだ。暮らし始めた最初の頃は、お互いイライラすることもあったけど、「生活に干渉しない」っていう暗黙のルールができてから、けっこうふたり暮らしも楽になった。

 そんな彼らのコンビ愛の軌跡が見え隠れするこの本。サンドウィッチマンを知る者にとっては読んで損はないと断言できる。

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