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読書めも

読んだ本の感想をぼちぼち書いてます

【#146】さすが芸人!と思わされた「ホームレス中学生」を読んだ

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ホームレス中学生

ホームレス中学生

 

あらすじ

 父親の解散宣言で、13歳の僕は突然家を失う。そんな僕の新しい家は公園のウンコ形遊具の中。雨で体を洗い、食べられるものはないか色々試す。そんな中で手を差し伸べてくれるたくさんの人、兄姉、友達。そして改めて考えるお母さんの事、人と関わるという事。いつしか描いた芸人という夢…。大ベストセラーとなった笑って泣ける貧乏自叙伝。

 

感想

 お笑いタレントの麒麟のツッコミである田村裕さんの著書で225万部売れた「ホームレス中学生」。田村さんはお父さんの「解散宣言」により、いきなりホームレスとなる。そのとき、彼は中学二年生。

家に着くと、朝出掛けたときとは明らかに様子が違っていた。そのときは普通のマンションの二階に住んでいたのだが、二階に上がる階段の前で僕を迎えてくれたのは家の中にいるはずの見覚えのある家具達だった。(中略)

 

二階に上がる勇気が出ずに、野晒しにされた家具たちをただぼーっと眺めていると、お姉ちゃんが学校から帰ってきた。状況というか状態を説明し、二人で二階に上がると、ドアは開きっぱなしになっていたが、「差し押さえ」と書かれた異常に存在感のある黄色いテープがクロス状に張られていて、もう家には入れなくなっていた。(中略)

 

お父さんが帰宅(?)というか、とりあえず帰ってきた。笑っているわけでもなく、怒っているわけでもなく、かといって真顔でもない複雑な表情を浮かべていた。お父さんは、こう言った。

 

「ご覧の通り、まことに残念ではございますが、家のほうには入れなくなりました。厳しいとは思いますが、これからは各々頑張って生きてください。... ... ...解散!!」お父さんはそれを告げると足早にどこかに去っていってしまったので、残された兄弟三人でこれからどうするかを話し合った。

 物語はここから始まります。

 アマゾンのレビューに「感動した!」「泣いた!」そんなレビューがたくさんあったから、感動物語かなぁとおもって読んだけど、ぼく自身はそうでもなかった(おもしろくなかったわけではない)。本に感動要素がなかったわけでなく、わりと冷静に読んでいたからだとおもう。たとえば、田村さんがホームレスから脱出し、兄弟でアパートを借りるときになったときの話とか。

よしやとテツ坊と遊ばない日は、家の足りない家具を求め、夜な夜な粗大ゴミ置き場を巡った。テレビや扇風機、タンスなどを拾っては持って帰った。お陰で結構家具は充実していた。各部屋にテレビが一台ずつあった。ただ入れるものはそんなに無いため、棚とかは使い切れなかった。

 

そんな生活に満足していたのだが、ひとつお願いを言わせてもらえるならテレビやビデオと一緒にリモコンを捨ててほしい。どんなに探してもリモコンが見つからず、そんなにテレビがあるのにリモコンはひとつも無く、手動で操作しなければいけなかった。リモコンが無いと使えない機能も多かった。

 こういう部分を読んで、「あーさすが芸人さんだなぁ。ところどころで笑いをいれてくるなー」とかおもった。 芸人さんの本はいくつか読んだけど、必ず笑いを誘うようなものをいれてくる。

 たとえば、ノンスタイルの井上さんの「スーパーポジティブシンキング」では、最後に盛大なオチがあったし。ダウンタウンの松本さんの「遺書」は、各章ごとによくわかんない絵が描かれていたし(でも、なんか笑えた絵だった)。

 絵といえば、このホームレス中学生でも絵がちょくちょく描かれていた。

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 これは田村さんが中学二年生の学校での駅伝大会でのシーン。田村さんは運動が得意でクラスのアンカーを務めた。4位でたすきを託されるが、走るのが得意な田村さんはあっという間にトップへ。歓声が沸き起こる。クラスメイトは喜びの声を。

 ところがトップになり気が抜けたのか、ゴール直前で盛大な鼻水を出してしまう。

口髭よろしく、両の鼻の穴から垂れ出る見事な立派な青っ鼻。僕が横を走り抜けるとウェーブのように歓声が止まり、みんなの表情が固まっていく。鼻水さえ出ていなければ、普通のウェーブが起こるはずだった。少しぐらいの鼻水なら、透明の鼻水なら大丈夫だった。

 

しかし、僕の鼻から出たのは、ナメック星人の肌の色みたいな大量の青っぱな。優勝果たした。しかし、みんな微妙な表情。微妙な雰囲気。自分のクラスも他のクラスも。ヒーローになりそびれた。これだったら優勝しないほうがましみたいな空気で、二年最後の行事は幕を閉じた。

  まあこの絵がお笑いでいうところの「オチ」なのかもしれない。各章にでてくるこれらの絵に笑わされた一冊でした。

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