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読書めも

読んだ本の感想をぼちぼち書いてます

いま、必死で走ってるひとはこれ読むといいかもね。75歳の起業家が若者に伝えたいメッセージ《歩き続ければ、大丈夫 佐藤芳之》

ビジネス ビジネス-エッセイ
歩き続ければ、大丈夫。---アフリカで25万人の生活を変えた日本人起業家からの手紙

歩き続ければ、大丈夫。---アフリカで25万人の生活を変えた日本人起業家からの手紙

 

 「タイトルに恋をした」、そんな言葉あまったるそうだけど、 それくらいグッと惹きつけられたタイトル。いまや従業員4000人にもなったケニア・ナッツ・カンパニーを創業し、75歳になったいまもルワンダに拠点を移し新たなビジネスに挑戦しつづける佐藤芳之さんのエッセイ本。

※佐藤さんの自伝「OUT OF AFRICA」についてのレビューはコチラ。

 中身は自己啓発本ぽいのだけど、自己啓発本によくある上から目線のような表現はなく、すごくフラットな感じだった。それもそのはず。この本自体が、昔の佐藤さんに向けたメッセージだから。

 この本に書くことは、昔の自分に向けたメッセージです。何かやりたくてうずうずしていた、あの頃の自分。でも、何をどんなふうに始めればいいのかわからなかった、あの頃の自分。そして、ようやく一歩を踏み出してみたものの、何をやってもなかなかうまくいかず、ヘンに力んでいた自分。どこ焦ってもいた自分。(中略)

 

 まだ火もともっていない夢であっても、小さな火がようやくもり始めた夢であっても、ゴーゴー音を立て燃えている夢であっても、自分の「夢」と格闘している若い人を見ると、昔の自分とピタリと重なります。

 

 そんな人には、「夢はゆっくり追いかければいいんだよ」と声をかけたくなります。(中略)

 

 消えない情熱を持ち続けること。それが夢を叶える秘訣です。今ならよくわかります。でも、20代、30代の頃はわからなかった。ひょっとすると、40代の頃も気づいていなかったかもしれません。でも、75歳になった今なら、確信をもってはっきりといえます。

 

人生は、みなさんが思うよりもずっと長いのです。 

 ふむふむ。昔の自分に向けた手紙なのか。まあこの本には、佐藤さんからのメッセージがたくさん詰まっているわけだけど、ひとつひとつのメッセージにいちいちなっとくさせられる。

 

行動力、決断力... ...「◯◯力」はいらない

 書店に行くと、「聞く力」「考える力」「悩む力」「叱る力」... ...さまざまな「力」のついた本を目にします。とりあえず「◯◯力」とつけておけば、それで万事OKといった印象。もちろん、わかりやすいタイトルのほうが手にとってもらえるというのもわかるし、そういう本に書いてあること自体を批判するつもりもありません。

 

 きっと多くの人が、自分には「力」がないと思っているから、そういう本が売れるのでしょう。ですが、たとえば「呼吸力」とか「睡眠力」とはいいません(そんなタイトルの本も出てきそうですが)それは呼吸も睡眠も、誰でも日々自然にしているもので、わざわざ「力」をつける必要がないからです。(中略)

 

 何にでも「力」をつけて力む必要はありません。みんなが力んでいる世の中なんて、あまりおもしろくないでしょう。力、力とあえていわなくても、誰でも必要な力は兼ね備えています。だから、あとは力まずに自然体で生きていれば、その力はのびのびと発揮されていきます。

 うーむ、なるほど。75歳でいろんな経験をしてきた佐藤さんだからこそいえる言葉、なっとくです。「急がなくてもいい、じぶんのペースで歩けば、力はつく」ということなのかもしれません。

 

シンプルに生きること

以前、日本で「ロハス」や「スローライフ」と呼ばれるものがブームになりました。物を大切にしたり、オーガニック野菜を食べたり、ヨガをしたりというようなライフスタイルを、そう呼ぶのでしょうか。あれは、「洗練されたシンプルさ」です。確かに美しくてスマートでいいのですが、「こう生きようよ」というメッセージが含まれているようで、何となく押しつけがましく感じます。

 

今の日本を見ていて何となく感じるのは、毎日がハレすぎるということ。いつでもどこかでイベントやお祭りが開かれている。いつも何か特別なことをしたり、いったりしていないと、みんなが不安になってしまうのでしょうか。普段は働いて、食べて、寝るだけという「ケ」があるから、たまにある「ハレ」を楽しめるのに。ちょっとヘンだな、と感じます。生まれたまま、あるがままのシンプルを生きるほうが、ずっと楽なのに、と。

 

「言葉は風 」

アフリカには「言葉は風」という文化があります。人と人との会話は、草原を吹きわたるようなもの。昨日した約束なんて、風に乗ってキリマンジャロの向こうに消えてしまったよ、という具合です。

 

だから、仕事の起源だって守らないし、いっていることもその場その場で変わってしまいます。もちろん嘘をついているわけではなくて、言葉を発した時は本当にそう思っている。でも次の日はコロッと気が変わるかもしれない。(中略)

 

私のように日頃から「言葉は風だから、いろいろいうよ」という姿勢で話していると、たいていそのつもりで聞いてもらえるようになります。とはいえ、妻は一枚上手で「私、ほとんど聞いてませんから」と返してくるので敵いません。 

  ゆるーく、そして肩の力がぬけるような一冊。今、必死で走っているひとは、足を止めてこれをよむといいかもしれません。

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