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読書めも

読んだ本の感想をぼちぼち書いてます

【#110】女子刑務所 外山ひとみ

法-刑務所
女子刑務所 知られざる世界

女子刑務所 知られざる世界

 

内容と感想

先日、刑務所に勤める刑務所医が1800万円の給与を不正に受け取っていたのが発覚しました。また、刑務所内ではじわじわと進行する高齢化の波に耐え、増加する外国人の文化や風習の対応に追われ、刑務官の過剰労務が浮き彫りになってきています。

本書では、そんな刑務所の実態や問題の他に、官民恊働による刑事施設の事例なども取り上げています。ただし、ここで特にピックアップしているのは「女子刑務所」です。

→男子刑務所に関しては、著者の外山さんが下記の本で書いている。

 

ニッポンの刑務所 (講談社現代新書)

ニッポンの刑務所 (講談社現代新書)

 

 

そもそも、日本には刑務所が77カ所あり、そのうち女子刑務所はたったの9つ。現在女子刑務所は、定員を超える数の受刑者で溢れ、平均収容率115%を超える状態が続いています。そんな女子刑務所の「いま」について勉強させられ、刑務所の「これから」を考えるきっかけとなる一冊です。

 

疑問

・外国人が罪を犯したときに、日本人と同じような基準でどの刑務所に収容するかを決めるのか?

・官民恊働の美祢社会復帰促進センター山口県にある刑務所)が抱える課題は?官民恊働だからこそ起こりうる問題は?

 

読書メモ

1.女子刑務所の数の少なさ

 男子刑務所では、刑罰の種類ごとに収容施設が分けられている。たとえば、初めて刑務所に収監される「初犯」や何度も犯罪を繰り返している「累犯」。執行刑期10年を超える「長期」「無期」。交通事故などで罪に問われた「交通事故」。男子はそれぞれが区別して収容され、少年刑務所もある。

 

だが、女子の場合、施設の絶対数が少ないことから、刑罰の重さや性質に関係なく、すべての受刑者が同じ刑務所に一緒に収容されている。

 

実際に刑務所の長である所長はこう言う。「一人ひとりの受刑者にきめ細かい対応をしてあげたいと思っても、こちらその余裕がないのが残念です」

 

2.大阪刑務所の受刑者しか持っていない技術がある

大阪刑務所の「堺式手織緞通(だんつう)」は、なんと現在、大阪刑務所内にしか残っていない伝統技法で作られる織物である。職人の減少から技術が途絶えることに危機感を募らせた「 堺式手織緞通技術保存協会」が1994年、大阪刑務所に協力を依頼し、受刑者たちに技術を教え、伝承と保存に取り組んだ。

 

2000年には最後の職人が亡くなり、江戸時代から伝わるこの技術は、今や塀の中でのみ作られている。これまでに数々の賞を受賞し、評価は高い。

 刑務所と伝統技法のコラボは個人的にすごく面白かった。刑務所内でのニーズが「受刑者の社会復帰できるためのスキル」。一方で伝統技法側は「その技法を将来に伝えるための担い手」。お互いのニーズがマッチした仕組みだと思う。

 伝統技法だけでなく、担い手が少ない分野に従事する人々は、一度刑務所での人材に目を向けることが一つの課題解決の一歩となるのかもしれない。

 

3.塀の中で進む高齢化の実態

受刑者のなかには、87歳を超える高齢者もいる。彼らの介護をしているのが、同じ塀のなかにいる受刑者だ。自立生活が困難な受刑者の介護は、介護の仕事をしていた受刑者や、刑務所内でホームペルパー科を受けた者が行う。また、出所してからホームヘルパーの仕事に就いてまじめに社会生活をおくっている元受刑者もいるので、こういった取り組みも更正に一役買っているのであろう。 

 

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