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【#121】広告なのにシェアされるコンテンツマーケティング入門 谷口マサト

広告なのにシェアされるコンテンツマーケティング入門

広告なのにシェアされるコンテンツマーケティング入門

 

著者は谷口Pという愛称でも親しまれるLINEのプロデューサーです。下記の記事広告を作りヒットさせたことでも有名です。


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最近ネットサーフィンをしていると、「コンテンツマーケティング」「ネイティブ広告」「記事広告」などなどを目にすることがあり、それらの意味がよく分かっていなかったので読んでみることにしました。

コンテンツマーケティングとは

広告や商品情報を、ユーザーが自然に見てくれるコンテンツとして発信し、企業のマーケティングに生かす方法のこと

ネイティブ広告とは

メディアが配信しているニュース記事と同じフォーマットで、広告記事を配信するなど、サイトやサービスに自然になじんだ形で表示される広告と説明されることが多いですが、メディアが配信する記事に限った話ではありません。たとえば、ツイッターのタイムラインの中に埋め込まれている広告もネイティブ広告の一種です。

 

twitterのタイムラインー

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これはアドビがtwitterに広告料を支払って、twitterユーザーのタイムラインにアドビの広告を埋め込むというビジネスモデルとなっています。

ラインのスポンサードスタンプも、ネイティブ広告に当てはまります。無料のスタンプをダウンロードできる代わりに、企業からの案内がメールマガジンのように自分のラインに届くような仕組みになっています。

本書で谷口さんはネイティブ広告のことをこのように語っています。

つまり、ネイティブ広告とは、特定の「記事フォーマット」のことを指すのではなく、「広告をコンテンツとして扱った方が成果がでる」という考え方で、ロングテールフリーミアムといった抽象度の高い言葉と言えます。 

記事広告をバズらせるコツ

記事広告をバズらせるコツは、コンテンツを"主役"にし、商品は"脇役"にすること、と谷口さんは言います。本書では、冒頭で紹介した大阪の虎ガラのオバチャンと227分デートしてみた!の事例を元に説明してあります。

キーワードは、商品を"褒める"ためではなく、ひとつの記事の中でコンテンツと広告が同時に掲載されている"理由"として設定する必要があります。そして、コンテンツが"主役"でないとシェアされませんので、商品はコンテンツを作るための情報またはツールといった"脇役"という形で登場させた方が自然です。

 

今回の例で言えば、「虎おばちゃん」とデートすることがあくまで"主役"で、その参考資料に使うという"理由"で映画は"脇役"して登場しています。

記事の中でボケることが必要。

コンテンツをつくる上で、キーワードとなるのが「ボケること」。どういうことか。ネット上では、twitterなどツッコミに使いやすいツールが開発され続けているわけです。そのネット上における"ボケ"と"ツッコミ"に関しての考察を著者は、第三章でお笑い芸人の槙田さんの文章を紹介しています。

 ああ息苦しい 一億総ツッコミ時代

 

ツイッターで気に入らない発言を罵倒し、ニコ生でつまんないネタにコメントし、嫌いな芸能人のブログを炎上させる。ネットで、会話で、飲み会で、目立つ言動にはツッコミの総攻撃。自分では何もしないけれど、他人や世の中の出来事には上から目線で批評、批難。

 

一般人がプチ評論家、プチマスコミ化した時代。それが「一億総ツッコミ時代」だ。動くに動けない閉塞感の正体はこうした「ツッコミ過多」にある。「ツッコミ」ではなく「ボケ」に転身せよ。「メタ」的に物事を見るのではなく「ベタ」に生きろ。この息苦しい空気を打倒し、面白い人生にするために!

つまり、ネット上にはツッコムやつらがうようよといる。だからこそ、際立つコンテンツをつくりたいならば、コンテンツにツッコミが入れることができるような仕掛けが必要なわけです。その仕掛けの一つが「ボケる」ということ。ボケることで有名な企業はバーグハンバーグバーグとか、niftyが運営するデイリーポータルZとかですね。 

広告業界に興味がある人はぜひ。