【#103】世界の働き方を変えよう 吉田浩一郎
内容(アマゾンより)
今最も注目されるベンチャー企業社長初の著書! 終身雇用の崩壊、組織のフラット化、ノマドに代表されるライフスタイルの登場により、2015年には日本の雇用に占める正社員比率は50%を切ると言われている(リクルートワークス研究所)。
そのような中、フリーランスで仕事をする個人と企業の間で仕事のマッチングを行うビジネス(クラウドソーシング)が日本でも浸透しつつあるが、創業わずか1年あまりで業界トップに躍り出た注目のベンチャー企業がクラウドワークスである。本書は創業者である吉田浩一郎氏が同社を立ち上げてから短期間で業界トップに躍り出るまでの経緯と秘訣を自ら明らかにするとともに、日本と世界のワークスタイルが多様化する中で、ビジネスパーソンが今後どのように仕事と向き合っていくべきかを提言する。
各メディアから注目されるベンチャービジネスおよびその経営者に関心のある人だけでなく、これからの働き方を真剣に考えたいあらゆる人に読んでいただきたい。ライフネット生命保険岩瀬大輔社長との特別対談収録、サイバーエージェント藤田晋社長推薦!
感想
クラウドソーシング・・・インターネットを使って不特定多数の個人に仕事を発注する仕組みのこと。仕事を発注したい側、主に企業と、仕事を受注したい側、主にフリーランスの個人との間を取り持つマッチングサイトによってその仕組みを提供する。
※クラウドとは、群衆。ソーシングとは、業務委託。
日本で「クラウドソーシング」という言葉を代表するWebサービスは、"クラウドワークス"と"ランサーズ"だと思います。この2つ以外には、Yahoo!が運営する"Yahoo!クラウドソーシング"、パソナテックが運営する"JobHub"Webサービスなどがあります。
「21世紀の新しいワークスタイルを提供する〜個の力を最大活性化し、社会の発展と個人の幸せに貢献する〜」というミッションを掲げるクラウドワークス社の吉田社長の書籍を読みました。
吉田さんは、クラウドワークスを創業する前に「ZOOEE」という会社を立ち上げています。ベトナムのハノイでアパレルショップ経営する会社です。だが、役員の一人がクライアントと仕事のシステムをそのまま持って独立をしてしまいました。
役員で特に目をかけていた仲間の離反、クライアントも失い、ベトナムでの事業む赤字経営。失意の中にいた吉田さんはどのように再び立ち上がり、クラウドワークスを起業しようと思ったのか?また、そこから学んだことは一体何なのか?
自身のエピソードだけでなく、クラウドソーシングという市場分析や歴史、ライフネット生命の副社長の岩瀬さんとの対談も収録されています。
起業している人、「個」として会社で活躍したい人、会社に縛られずフリーで活動したい人は必見です。
疑問
・クラウドワークスは、受注する側(フリーランス側)が手数料としてクラウドワークスに手数料として5%〜10%払うシステムだが、なぜか?企業側が払わないのは、なぜ?
読書メモ
1.単なるお金儲けでなく、事業としての夢が必要
起業直後は新しい事業をどう創り上げていけばいいかわかっていなかったため、まずは引き合いがあってお金をもらえる仕事から着手してしまった。その結果、経営コンサルティングとITシステム開発の受託で収益を上げるという構図が出来上がったのである。
今から考えてみると、それらはどうしてもやりたかった事業ではなく、まずは目先のお金として動いていた。要は、自分の会社を立ち上げるという目先の形ばかりに気を取られていて、その会社でどんな事業を起こし、どう育てていきたいのかということがおろそかになっていたのだ。事業への夢が曖昧だったのである。
吉田さんは、ベトナムでのアパレルショップがうまくいかず、ドリコム(ドリコムで役員をして、上場させた)時代に身につけたスキルでコンサルティング業務を請け負ってそのお金をアパレルショップに投下していた。
2.仕事が企業に紐づく時代から、個人に紐づく時代へ。
企業が中心となってビジネスを動かしていたときには、どの企業のどんな部署のどういうポジションに就いている人がこの仕事をしているのかが重視された。個人は個人名というよりも組織に所属する従業員として企業に紐づき、仕事もまた企業に紐づいていたのである。
いわば企業を介して、仕事と個人がつながっていた。仕事が企業に紐づく時代から、個人に紐づく時代へ。現在はそうした変革が進んでいる、いわば過渡期である。