【#96】ビッグダディの流儀 林下清志
内容と感想
テレビ番組の「痛快ビッグダディ」で一躍時の人となったビッグダディ。そもそも、この番組が2006年から始まって、7年間にわたって放送されていたのを知りませんでした。7年間も密着されているわけだから、色々あったでしょうけど、林下さん(ビッグダディ)はまえがきでこう言っています。
「いつも見てます!」「応援してます!」。そんな声を掛けられるたびに、しみじみ特異で数奇な人生だと思います。普通ではあり得ない経験をさせてもらった日々でした。「この野郎、子どもを見せ物にしやがって」と、見知らぬ人かに胸ぐらをつかまれたこともあります。一方で、何の取り柄もないこの中年おやじに講演依頼があったりもしました。
俺にしてみれば、そのどちらもが十分に楽しめるアクシデントなんです。そんな俺にとっていろいろな人から「ちょっかいを出される」ことは、楽しい触れ合いの場を提供されたようなものです。いい心のマッサージを受けたという感じかな。
なるほど言い得て妙だなあという感じです。子どもが多いことで取材対象となり、嫌なことやいいことすべてをひっくるめて「アクシデント」と表現しているところがすごくおもしろい。
ちなみに、ビッグダディの家族構成はこんな感じ。ダディーとの血縁関係はない子供も含めて、18人。。。血縁関係がある子供は10人。
この本は、ビッグダディの自叙伝的著書です。1章〜6章までありますが、3章と5章が個人的にはオススメ。
3章のタイトルは「俺はこうして女性と向き合ってきた」。5章は「俺はこうやって子育てをしてきた」です。早い話、女の話と子どもの話です。いくつか気になったところがあるのでご紹介。
二男の熱志:「父ちゃん、もう結婚しないの?」と、聞いてきたことがありました。
ダディ:「わからんぞ、結婚するかもしれんぞ」
熱志:「ふーん、俺その人のこと、母ちゃんって呼べるかな」と、二男が首をかしげるんです。
だから俺は、「俺の嫁さんを勝手に母ちゃんなんて呼ぶんじゃねえよ、お前には母ちゃんがいるじゃん、あのどうしようもないのがお前の母ちゃんだよ。おまえらに新しい母ちゃんをもらうんじゃなくて、俺が嫁さんをもらうだけなんだよ」と、冗談半分でそう言ったんです。あくまでも俺の嫁なんです。
部屋を与えるな!与えるなら干渉はするな!
あるとき美奈子と、子どもの部屋をどうするかという議論になりました。美奈子は「中学生ぐらいになったら子ども部屋は必要だけど、ドアに鍵はかけさせない、窓も開かないようにして外に勝手に出られないようにする」と言います。
俺は「だったら子ども部屋はいらないよ」と言いました。そして、「部屋を与えるなら、ちゃんと鍵をつけ、窓も開く部屋を持たせるべきです。自分の部屋を持たすというのは、親も覚悟がいるし、子どもも自分のやることに責任を持つってことなんだよ」
林下さんの元奥さん(美奈子さん)も本を出しているので、次はそちらを読んでみようかと思います。