【#91】気象キャスターになりたい人へ伝えたいこと 井田寛子
内容と感想
気象キャスターを目指している人も目指していない人にもきっと興味深い一冊だと思います。
ぼくがこの本を読もうと思ったのは、以下の記事を読んでおもしろそうと感じたから。
就職活動を始めた大学生はNHKのお天気お姉さん・井田寛子さんに学べ
井田さんが気象キャスターになるための方法を教えてくれるのはもちろん、気象キャスターとして働くうえで大事なことなども書かれています。
個人的には、気象キャスターになる方法とか勉強法より、井田さんが気象キャスターという仕事に対する想いや心構えなどにすごく興味を持ちました。
たとえば、
ランニングもお仕事?走って気象の変化を感じ取る
時間があれば午前中はランニングをしています。趣味という部分がほとんどですが、これも毎日の気象を体で感じるには大事な時間だと考えています。データから予想したことと、体感は異なることがあるので、まずは自らがその日の気象を感じることは欠かせません。
空を見て予想より雲が多いとか、風が強いとか確認することでや、花が咲いたとか、鳥がよく鳴いているとか、そんな発見もあります。町を歩く人の服装を見て長袖が多いとか、日傘を差す人が増えたなどの情報も得ることもできます。
気象予報士は高速時間が長く、どうしても屋根の下でデータと向き合う時間が多くなります。
気象キャスターの仕事というのは、気象庁から送られてきた天候のデータを気象のことがわからない僕らに対して、ポイントをしぼって伝えるということです。
ただ、気象庁から送られてきたデータを伝えるだけでなく、自分が天気を感じることができる場所に行くことを大事にしている姿勢がさすがだと思います。
また、気象予報士と気象キャスターのちがいを彼女はこのように述べています。
私は気象予報士の資格を有する気象キャスターであるという自覚を忘れてはならないと思っています。気象予報士は、資格を持って天気の予報ができる人のこと。気象キャスターには、そこにジャーナリストの要素が加わります。予報ができるだけでなく、原稿を書き、自身の見解を持った内容を正しく伝えることが求められます。
そのほかにも自分の着る洋服について、こう述べています。
衣装もスタイリストさんに付いていただいております。服装もお天気情報を伝える大事な要素の一つなので、視聴者の皆さんに季節感を感じていただけるよう、2週間に一度、衣装合わせを行い、細かい部分までサイズのお直しをしてもらい、ロッカーにまとめて入れていただき、その日の天気に合わせて他之キャスターとのバランスも見て、決めています。
そして、ぼくが一番好きだと思った箇所が、本を開いて一ページ目の巻頭インタビュー。ここのタイトルが「私がこの本に託したこと」。このタイトルがすごく好き。
だれかに託すという言葉は聞いたことがあったけど、モノに託すという言葉をマッチさせてるところがすごくいい。
というわけで、女性の仕事術本としていい本なので、ぜひ読んでみてください。
メモ
この本の好きなところ
タイトルと表紙の写真がすごくマッチングしているところです。おそらく屋上に井田さんがいて、後ろには高層ビルとたくさんの雲。そして、空を見上げている井田さんの表情が彼女の魅力を出している気がする。