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読書めも

読んだ本の感想をぼちぼち書いてます

【#90】わたし、男子校出身です 椿姫彩菜

わたし、男子校出身です。

わたし、男子校出身です。

 

 内容と感想

『性同一性障がい』

ぼくがこの言葉を初めて聞いたのは、2001年の9歳のときでした。ドラマ"金八先生"で上戸彩が演じる生徒役の人が性同一性障がいを抱えていました。

そのとき、性同一性障がいのことをよくわかっていなかったので、ドラマを一緒に見ていた母にこう聞きました。

「性同一性障がいってなに?」と。

母は、ひと呼吸おいて「ココロの病気のひとつだよ」と教えてくれた記憶があります。そのときは、「ふーん。そうなんだ」くらいにしか思いませんでした。

性同一性障がいとは、自分のココロと自分の身体の違いに違和感を持つことです。椿姫さんの場合は、身体が男性として生まれたため、ココロ(脳)が女性なわけです。

椿姫彩菜さんは、小学生になる前に「男の子」「女の子」という性別に関して、私が初めて激しい違和感を覚えます。

それが小学生のときにランドセルをもらったとき。彼女は、黒いランドセルをもらったのですが、女友達が赤いランドセルを背負っているのを見て、赤いランドセルが欲しくなります。

母親に赤いランドセルが欲しいと言いたかったのですが、なんとなく言ってはいけないことだと理解し、言えないまま小学校生活を過ごします。

そして、中学は中高一貫の男子校に通います。最初こそ、いじめを受けましたが、あることをきっかけに居場所を見つけ、自分の特性のことを理解してもらうことができます。

大学では、なかなか周囲のことを理解してもらうことができず、休学をし、家を出て、性転換手術を受け、大学に復学します。

と、いうところで物語は終わりを迎えるわけですが、椿姫さんとお母さんとのやりとりがすごく心に残っています。

たとえば、

ある日、家の二階の部屋から降りてきた私を見て、ママが突然言った。「あんた、キモいのよ」

「・・・・!!」耳を疑った。 今、なんて言ったの?「キモい」って聞こえたけど、まさか、そんなはずないよね。親にキモいって言われるなんて・・・・。でも、そのわずかな望みもあっという間にぶっ飛んだ。「あんたキモいのよ」またそういったのだ。

崖から突き落とされたような気分だった。一瞬で血の気がサーッと引いた。

「あんた隠れて女の格好して街をうろついているらしいじゃない!」ようやく、ママが何をキモいと言ったか理解した。私は何も答えずにママをにらんだ。

「どういうことよ!なんで女の格好なんかするの!?」ママの手が、私につかみかかった。

「うるさいなあ!勝手でしょ」

「オトコらしくしなさい!こんな髪の毛切って!」

「さわんないでよ!」

椿姫さんは、最も身近な人物である母親から理解をなかなか得ることができなかったのです。このシーン以外でも何度も母親との喧嘩の場面があるのですが、読んでいてすごく心が痛みます。

 

疑問

・みんなは親とこんなけんかしますか?(第一章の小タイトル)

→「けんか」が漢字やカタカナ表記でなかった理由。

・椿姫さんが中学・高校のときに髪をのばしたり、化粧をしたりすることに対して、お母さんはどう思っていたのか?どんな心境だったのか?

 

読書メモ

1.「いつ目覚めたの?」私には、その質問の意味がわからない

よくこんな質問をされる。「いつ目覚めたの?」私には、その質問の意味がわからない。目覚めるというのは「眠っている状態から目が覚める」とか、「隠れていた本能などに気づく」ということらしいけど、みんなが私に聞きたいのは「いつ、自分が女になることの方が好きだと気づいたのか」ということでしょう?それは私にとってはちんぷんかんぷんな質問。

みなさんは、自分がいつ「男」あるいは「女」だと、意識しましたか?まわりからいつも「男の子だから強いよね!男の子なんだから泣いちゃだめ」と言われて育ち、自然と野球のバットやサッカーボールを持つ。あるいは「女の子だから、おしゃまね」と言われて育ち、おままごとをする。

周りから言われることと、自分の感覚に大きなギャップを感じることなく、大人になっていったんじゃないかな?

 

2.「おまえがホントの女だったらよかったのに」

互いに好意を持っている。それは100%まちがいなかったと思う。でも、私は自分から告白することはなかった。そのうち、お互いの気持ちを言葉で確認したくなったのか、彼が私の肩に頭をあずけて、突然「好きだよ」と言ってくれた。まさに天にも昇るような嬉しさだった。

ところが同時に、死ぬほど傷つく言葉を言われてしまった。「おまえが、ホントの女だったらいいのに」えっ?今なんて?「ホントの女」って言った。そんな・・・・・・

私はずっと自分が「女」だって思っているのに・・・・。学校のみんなだってそう思っているんじゃなかったの?少なくとも彼はそう思ってくれていると信じていた。

「みんなのアイドルでいてね」それが彼の答えだった。

高校生のときに、椿姫さんは好きな男性ができます。出会いは、トイレの洗面所でハンカチを借りたことから彼女の恋は始まりました。

そんな彼とデートをしたときの出来事です。

 

3.親が守ってあげなくて誰が守るの?

パパは、私が家を出てしまったときに、自分の母親に私のことを話したそうだ。そのとき、すでに認知症がかなり進行していたけど、おばあちゃんはパパにこう言った

 「親が守ってあげないで誰が守るの?ちゃんとしなさい!」パパは男泣きに泣いたそうだ。そして、おばあちゃんは私のために女物の洋服を縫い始めた、と聞いたときには、感動して心から感謝した。

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