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読書めも

読んだ本の感想をぼちぼち書いてます

【#82】またあの人と働きたい 黒岩功

ビジネス ビジネス-エッセイ
また、あの人と働きたい

また、あの人と働きたい

 

内容と感想

おもてなしのホテルといえば、"リッツカールトン"。ホスピタリティに関する有名なエピソードがいくつもある。

あるビジネスマンが六本木のリッツカールトンに泊まり、翌日朝早くから会議があるため早朝の新幹線で大阪に向かった。ところが、ホテルに大事な書類を忘れたことに気づく。ホテルのフロントに電話したところ、部屋に置いてあったという。新幹線で東京〜大阪間は片道2時間35分はかかる。行って帰ってきたら、5時間だ。どう考えても会議に間に合わない。ビジネスマンは絶望に陥る。

ところが、電話に出たフロント係がとんでもない提案をする。その書類を東京〜大阪間の新幹線に乗って届けてくれるという。「そんなバカな...」と思いながらも、待ち合わせ場所を指定し、数時間待った。

するとどうだろう。本当にフロント係が書類を持ってビジネスマンのところに現れたのだ。そして書類を即座に手渡して、颯爽と去っていったという。

これ嘘のようで本当の話だ。そして、そのビジネスマンは東京に行くときには必ずリッツカールトンに行く顧客となった。

ところで

大阪に「ル・クロ」と呼ばれるフランス料理店がある。これまたホスピタリティで有名なお店である。そして、ほかのフランス料理店とはちがった工夫が施してある。

フランス料理店なのに、靴を脱ぐ掘りごたつがあったり、箸を使ってフランス料理を食べたり、厳しい飲食業界なのに、12年間で2回しか求人広告をだしていなかったり。

本書はそんなル・クロの社長である黒岩さんが「ホスピタリティ」や「おもてなし」について語ったエッセイ本だ。サービス業に携わるひとは手に取るといいだろう。

読書メモ

1.コンプレックスをもっていることは、成長の余地があるということ

僕は、コンプレックスを持っている子たちが好きです。できないことがたくさんあって、何度も悔しい思いをしてきて、自分に自信を持てない子たちが好きです。コンプレックスに苦しみ、まだ自分のポテンシャルを開花させていない人材たち。

 

それは彼ら自身、自分の成長を強く望んでいることを意味します。また胸のうちにそのようなコンプレックスがあればあるほど、彼らが成長を求めるエネルギーは強くなるでしょう。

 

僕は、コンプレックスを持っている子に出会うとうれしくなってしまいます。「よっしゃ。よっしゃ」と両手を広げて迎えてあげたくなります。そして、心底「うらやましいな! 」と思います。だって、彼らは仕事のなかで成長していく喜びを存分に味わうことができるわけですから。

 

2.仕事は押し付けるものでなく、気づくこと

ル・クロの人材育成術は、上から一方的に押しつけるのでなく、スタッフたちに「気づかせる」ことに特徴があるのです。スタッフの成長を望むのなら、「気づき」を促すためのぼくら上司からの具体的な働きかけが必要となります。ル・クロでは、それが毎晩のミーティングであったり、日々の業務における声かけであったりします。 

 

3.部下の話を聞くまえに自分の話をするという姿

ル・クロでは部下の話を聞く前に、まず上司が自分の話をするという姿勢を徹底しています。仕事に対する考え方や、スタッフを指導するときの気持ち、密かに抱いているコンプレックス。とにかく何でも話します。

 

たとえば、僕だったら、かつてひどい劣等生だったことを話すわけです。身体が弱く成績はオール1。おしゃべりする友達すらいなかったこと。

 

なぜ、そんなことをするかというと、僕がどんな人間なのかわかってもらい、スタッフに安心してもらうためです。僕が普段何を考えていて、何のために働いていて、どんなときに喜び、悲しむのか。

 

それを知ったスタッフは、いわば僕という人間の「取り扱い説明書」を手に入れるようなものです。 

 

4.悩むこと、壁にぶつかるということは、真剣に向き合っているということ

大きく変わる瞬間というのは、トンネルの中で自分が持っていないものを要求される瞬間と言い換えることができるでしょう。だからこそそれは苦しく、つらい体験となります。でもそれは、ようやく成長する直前までたどり着けた、ついに短所を克服できる一歩手前まで来たということを意味しています。

 

たとえば以前、こんなことを言ったスタッフがいます「自分が何をやりたいのかわからなくなりました。このまま業界にいていいんでしょうか?」僕はこう答えました。「おお!ようやくその時期が来たね」こうした問いは、それまで自分が向き合ってこなかったものだからです。逆に言えば、今は真剣に向き合っているからそういう痛みが生じたということです。 

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