【#75】Twitter創業物語 金と権力、友情、そして裏切り
◎本書の内容
twitterが共同創業者4人で作ったプロダクトであることを知ってる人はいましたか?そして現在、共同創業者は「ジャック・ドーシー」しかTwitter社にはおりません。
本書の冒頭から、共同創業者の一人である「エバン・ウィリアムズ」がCEOを降りるシーンから始まります。そして、各章ごとに、共同創業者それぞれの視点から描かれたストーリーが収録されています。
このtwitter創業物語もいずれは、映画「ソーシャルネットワーク」のように、映画化されるような気がします。というか、個人的にはすごく見たい。
◎読書メモ
1.ノアは、革命家ではなく、芸術家(p31〜)
祖父の飼う馬が、ノアの弟の脚を蹴った。そういう状況どう対処すればいいかを教えるために、マウンテンマンは鉄パイプをつかんで、馬を殴り殺した。
「こうやって自分の身を護るんだ」手にした鉄パイプから血をしたたらせ、マウンテンマンがこうノアに言った。ノアはショックのあまり茫然と立ちすくんでいた。
ノアはやさしいココロの持ち主で、そこまで粗暴にあんれるほど興奮することはなかった。革命家ではなく芸術家で、独創的で活発な精神に逃げ込むほうが好きだった。
2.Twitterとはなんぞや?そして、みんな答えがちがっていた(p127〜)
最大の問題が残っていた。ツイッターとはなんぞやということを、人々にっ説明しなければならない。みんな答えがちがっていた。
「ソーシャルネットワーク」「テキストメッセージに代わるもの」「新式のメール」「マイクロブログ」「ステータスをアップデートするもの」
その結果、サイトを訪れる新しいユーザーは、なにをすればいいのかが理解できない。サインアップをして、最初のツイートを送信するとき、たいがいつぎのような文面になる。「これ、どう使えばいい?」「なんだこれ?」「ツイッターはばか」「これは使えないよ」
この混乱が、ジャックとエブの見解が食い違う最初の問題を引き起こした。ジャックはツイッターを「自分がなにをやっているか?」をいう場所だと考えていた。エブは、ミニブログのようなプロダクトだと見ていた。
3.Twitterという名前の起源(p86〜)
震動する携帯電話を見て、筋肉をtwitch(痙攣)させる脳のインパルスのことが、頭に浮かんだ。「トゥイッチ!」だめだ、それじゃうまくいかに、と思った。そこで、辞書の「tw」のところを見ていった。
twister(撚り手)、twist-tie(結束用針金)、twit(あざけり)、twitch、twitcher(バードウォッチャー)、twite(キバシヒワ)。そして、それがそこにあった。
「特定の種類の鳥の小さなさえずり」読み続けるうちに、ノアの動悸が早くなった。「ふるえるような小さな声やくすくすと笑う声などの、似たような音も指す」これだ、と思った。「動揺や興奮によるおののき」
動詞も同じ、twitter。
twitterという名前が誕生した瞬間です。読んでいるぼくも、ドキドキしました。
4.みんなで作ったTwitter
ジャックはたしかに、ステータスを人々が共有するというアイディアの源だったが、オデオがなかったら、それはアイディアのままで終わっていた。オデオを救おうとしたノアの決意が、ジャックのステータスという発想を、ハックデーでみんなに考えさせ、実行に移させた。孤独を味わっている人々を結びつけるようなサービスがあればいいというノアの発想と、みんなが覚えやすいような名前を探す努力がなかったら、ツイッターは存在しなかった。
ツイッターを「なにが起きているか」を伝えるものにするというエブのこだわりと、エブの資金援助と、シリコンバレーでの名声がなかったらツイッターがこんなに早く成長することはなかっただろう。それにサービス利用者の情報を護るために、ビズが倫理的な立場を維持しなかったら、ツイッターはまったく異なる会社になっていたはずだ。
だが、ジャックはまったくちがう物語を伝えた。ツイッター誕生を、事実とはちがう神話に仕立てようとしていた。