【#62】勝ち続ける経営 日本マクドナルド原田泳幸の経営改革論(原田泳幸)
◎本書の内容
マクドナルドを世界的に有名な企業にしたレイ・クロックの
を読み、日本マクドナルドの物語を読みたくなり手にとりました。先日、原田さんは日本マクドナルドの社長を退きましたが、社長に就任し、7年連続赤字だったマクドナルドを7年連続黒字にしたのは間違いなく原田さんの手腕でしょう。原田マジックとも言われました。
その原田マジックと呼ばれた経営改革や原田さんの生い立ちなどを知りたかったのですが、ぼくの期待とは裏腹に「自己啓発」チックな内容となっていました。5点満点で、2点。
◎疑問
本書に「売れた」と「売った」という言葉は違う、と書かれている箇所があります。原田さんはそれらの言葉をどのように捉えているのか?またそれらの言葉をどう定義しているのか?
◎読書メモ
1.お客様のおっしゃる事と実際の行動は違う
例えば、お客様に「どんな商品が欲しいですか?」とアンケート調査をすると、必ず「低下カロリー」や「ヘルシー」や「オーガニック」とか健康重視のメニューが挙ります。ところが、4枚のパティが入ったメガマックを販売しても、クォーターパウンダーを販売しても、若い女性が平気でそれらを食べているわけです
お客様のおっしゃる事と実際の行動は違うんです。つまりお客様の言う通りばかりにしていてはいけないのです
マーケティングの話に関連した話です。顧客やお客の言われたままにするのではなく、自分らしさや自分の強みをなくしてサービスや物を提供してはいけないということ。
2.厳しい時こそ投資も含めてお金を使うという意識を持つ
厳しい時に経営者は何を行うかというと、すぐにコストダウンに手をつけるわけです。例えば、私が「社員に「コストダウンを図れ」と言うと、多くのスタッフが活動削減提案を持ってきます。「さあ、皆さんコストダウンを図りましょう。一律10%カットするための政策を提案してください」と言うと、「こういう活動をやめます」や「ああいう活動をやめます」と言ってくるのです。
せいぜいよくて「何か新しい発想でもっと効率よくやりましょう。無駄をなくしましょう」という言い方でしょう。コストを減らすというのはそれだけではありません。そういう提案ができて、初めて何が必要で何が必要でないかを判断できる社員が育つと思います
そういう意味でこそ、経営が厳しい時こそ投資も含めもっとお金を使おうという議論をしないとその後の復活はありえないと思います
これは、大手の企業や大手企業の元にいる子会社の人たちだからこそ言える戦略だと思います。中小企業であるならば、手元のキャッシュが少ないので、こういった戦略は難しいかもしれませんが、マクドナルドのように大手の場合はコストダウンをしようと言ったときに、何かを辞めるだけでなく、新たに何かを始めるという提案までを含めてコストダウンというのかもしれません。
3.教育とは本人が今やっている事以上のことをやらせる事
教育とはトレーニングにいかせる事じゃない。本人が今やっている以上の事をやらせるのが教育であると。極端にチャレンジングな事もやらせて必ず成功するように周りと上司がサポートしろと。そうやって初めて人は育つのです。
そういったチャンスに巡り合うには、期待以上の事を毎日やるだけだと思います。
これは一般論として聞いていただきたいのですが、「昨日の売り上げはこうでした」と社員から報告があった時は「それは売れたのか?売ったのか?」と私は聞きます。売れたというのと売ったのは全く違います。すなわちマーケットを創ったかどうかだと思います。
売れたと売ったの話、この書籍を読んで一番勉強になったと思った箇所です。「売れた」は、お客様が自然と買ってくれたというニュアンスを含んでいる感じ。
一方で「売った」は売り手側が無理矢理売ったとか、少し強引さを含んだニュアンスのような気がします。商品が売れた場合は、まずはマーケットを創れているという事でヨシとしていいかもしれませんが、売った場合は「売り手側がどのような売り方をしたのか?」という事を分析しないと「売った」という行為は長続きしないような気がします。