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読書めも

読んだ本の感想をぼちぼち書いてます

600万人の女性に支持されるクックパッドというビジネス 上坂徹

ビジネス

◎本書の内容

非常に面白かったです。5点満点で、5点ですね。この本ですが、クックパッドについてあまり知らない人でもなんなく読めます。クックパッドはなぜ、女性に支持を集める人気メディアなのか?』。この一点を軸に、クックパッドの創業期のお話であったり、社長の佐野さんの生い立ちや、クックパッドの理念やビジョンはもちろん、さらには実際に取引をした企業の名前を出して、どのような仕事をしたのか?という事業の深い所まで書かれています。

そもそも僕自身、クックパッドは「食」の会社だと思っていましたが、事業内容は「メディア」です。だって、多くの人が投稿できる「食レシピ」のWebメディアを運営しているわけですから。

クックパッド

◎読書メモ

1.広告に対してユーザーからお礼のメールがくることがある

クックパッドは、広告にも徹底的にこだわってきた。ただ広告を掲載すればいい、ではない。クックパッドに情報にとして掲載される以上、「料理が楽しくなる」ものでなければいけない、という発想である。
 
逆に言えば、料理を楽しみたいユーザーには、掲載されている広告は常に自分に関わりのあるもの。
 
だからこそ、「あ、この材料はこんなふうに使えばいいのか」という気づきや「この調味料はこんな料理でも使えるんだ」という発見、「こんな便利に使える商品があったのか」という驚きが、広告で得られるということだ。

だからクックパッドの広告は、ユーザーからも支持の高い人気コンテンツに『なってしまって』いる。ユーザーは、どんな広告が次に出るのかと、楽しみに待っているというのである。

驚くべきことに、「こんな広告に出会えてうれしかった。ありがとう」と広告に対してユーザーからお礼のメールが来ることも少なくない、というのだ。


自社メディアを持っていて、広告収入を得ている企業や広告代理店の仕事の本質ってこういう事なのかなあって思います。そもそも、僕自身の考え方が「広告は邪魔なものである」と思っていました。

でも、その考え方が覆されたのです。だって、ユーザーが広告に対してお礼をするんですよ。おそらく、広告の本質は、ユーザーから「ありがとう」と言われる事まではいかなくても、ユーザーがいい情報ゲットできた!と思える事なのかもしれませんね。

 
2.優れたモノは、無言語
安易にユーザーに行為を求めたり、説明やマニュアルを読んでください。FAQをご参照ください、みたいなことが、実は僕は大嫌いなんです。きれいなページが作りたいのか、機能はほとんどFAQやヘルプを見てください、なんてWebサイトも中にはありますが、許しがたいですね。
 
僕たちにしても、レシピを載せるクックパッドといっているくらいなんですから、レシピを載せることに関しては、説明を見ないでもできるようにしなければならない。この動線だけは、絶対に満足するまで引き上げなければいけないと思っています。

優れたモノは、無言語なんです。説明が必要なサービスというのは、やはりレベルが低い。いくら美しくてもここをつかんでください、なんて書かれたコップを使わないでしょう。美しさを重視したから説明ありで我慢しろ、こっちが大変だから説明させろ、というのは極めて傲慢な考え方です。


これは、テレビゲームに関しても同じ事が言えるのではないでしょうか。テレビゲームも説明書がついています。ですが、優れたゲームほど説明書を読まなくてもなんとなく操作が分かりますよね。任天堂マリオシリーズは、その典型的な例なのかもしれません。

 
3.新オフィスへの引っ越しはなんのためにするの?
「直前だったんですが、どうして引っ越しパーティーをやるのか?」と聞いたら、社員の誰も答えられないんですよ。お客様を招いて、料理をふるまって、というのは決まっていた。でも、目的がないわけです。危ないんですよね。

お披露目パーティーだった。だが、何のためのお披露目パーティーなのか、を佐野は社員に厳しく問うたのだ。

「その意味では、こんな立派なオフィスに引っ越したことは、むしろリスクになるわけです。なんだかクックパッドさん儲かっているみたいね、というネガティブなメッセージ送りかねない。
 
でも、業績から考えれば、他の会社が行っているオフィス移転と何ら変わりないわけです。しかも他のものを懸命に切り詰めて、手に入れたオフィス環境です。儲かっているからきれいなところに引っ越したわけではない。これからのために必要だったから引っ越した。それが伝えられなければ意味がない」

招待する人に伝えたいことは何か?佐野は言った。感謝ではないか。ありがとうという思いと、これからの挑戦を伝えることではないか。もっと料理をおいしくしようとするチャレンジするために引っ越しをした。今まで関わってきてくれた人たちのおかげでチャレンジすると伝える。その思いと本気度を正しく理解してもらう。それがゴールのはずだ、と。

感謝を伝えるためにはどういう料理がいいか?入ってくる人に、どこで飲み物を渡すのか。遅れてくる人もいるだろうから、あたたかい料理だけではだめ。ただ料理が並んでいるだけではなく、料理の説明をするにはどんな動線にすればいいか?社員が自主的に次々と動き始めた。その時、ふと気づいたのが、オフィスに入った真正面に何もなかった、という事だった

「そうしたら社員が言ったんです。ここに僕らの思いや挑戦を理解してもらうためのメッセージを掲げたらどうでしょう?って。僕らの顔写真と、一人ひとりの思いを一言ずつ伝えれば、本気度が出るんじゃないか。壁面のホワイトボードには、ユーザーからのメッセージをお客様に見てもらったらどうだろう、と」


一番しびれた箇所です。引っ越しパーティーは、祝ってもらうことが僕は目的だと思っていました。

でもそれを来ていただいている人に向けて、感謝と自分たちがこれから何をするのか?を表現する場と佐野社長はとらえていたのです。この考え方ができる佐野社長とそういった考え方を持つことができない自分の差はなんだろう?と思うと同時に、佐野社長の考え方にしびれました。

また、この本を読んでいたとき、僕は、元気がありませんでした。そんな時にそういった考え方ができる佐野社長の考えに触れることができ、不思議と元気が湧いてきました。

おそらくこれは、佐野社長の考え方に触れる事で、自分の見えている景色が広がり、その光景に感動し、元気がでたのではないかとw

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