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読書めも

読んだ本の感想をぼちぼち書いてます

【#73】非選抜アイドル 仲谷明香

非選抜アイドル (小学館101新書)

非選抜アイドル (小学館101新書)

 

 

◎本書の内容

前田敦子板野友美、篠田麻理子、高橋みなみ。テレビをよく見る人は、これらの名前を一度は聞いたことがあるだろう。

彼女たちは、あのアイドルグループAKB48(元も含む)のメンバーだ。

では、仲谷明香という名前は知っているだろうか?

おそらくそうはいない、はずだ。もし、「知ってるよ!」という人がいたなら、あなたはきっとAKB48のオタクであろう。

メディアに露出が多いメンバーを「選抜組」と呼び、メディアに露出が少なく、主に秋葉原の劇場で公演をするメンバーを「非選抜組」と呼ぶ。

この本の著者は、「非選抜組」。

つまり、AKB48の中でも、そんなに有名でないメンバーが書いたものである。

非選抜組として、スポットライトが当たらなくても、自分の役割を見つけ夢に向かって突き進む、一人の少女の物語です。

◎読書メモ

1.AKB48とは夢のショーケース(p39〜)

秋元さんによるとAKB48とは夢のショーケースである」

AKB48は、さまざまな夢を持ったメンバーたちが集い、そこで切磋琢磨しながら成長していく場所である、ということだった。

必ずしも、アイドルを目指したり、そこで成功することを目的としていなかった。他の夢を持つことは、奨励というよりも義務づけられているような感じだった。AKB48は、あくまでもその登竜門にすぎないと。 

 AKB48がアイドルグループなので、一見、メディアにあまり露出していないメンバーを負け組に見えるだろう。でも、AKB48で目立つことがすべてではない。自分の夢に着実に繋げることの方が大事なのである。

 

2.人気を得ることをあえて捨てる(p73〜)

私は、アイドルとして常識的にはあり得ないと誰もが考える、「人気を得る」ことをあえて捨てるという戦略を取ったのだ。

と言うより、それ以外に選択しようがなかったのである。私にはどうがんばっても人気を得ることはできなかったし、そのための努力をすることもできなかった。

しかし、代わりに、公演でのクオリティを上げること、すなわち歌とダンスを頑張ることだったらどこまでもできた。私は、自分のこの特徴を活かし、アイドルというよりは、AKB48のメンバーとして、最低限の責任を果たそうとした 

 

3.AKB48の夢と夢の続き(p74〜)

AKB48には、歌手としてCDを発売したり、コンサートをしたり、映画やテレビ、雑誌など他のメディアに出たりなど、さまざまなお仕事があるけれど、その全ての基本となるのが、秋葉原にある専用劇場での公演活動である。

スタート当初から一つの目標があった。「いつか東京ドームでコンサートをする」ということだ。そのため劇場支配人にのブログのタイトルは「AKB48 TOKYO DOMEまでの軌跡」となっている。

しかし、この裏には、実は明記されていないもう一つの目標がある。AKB48の関係者なら誰もが知っている「夢の続き」がある。

それは、「東京ドームでコンサートをした翌日に、秋葉原の専用劇場で、いつものように公演をすること」だった。つまり、基本を忘れないアーティストで居続けることこそ、AKB48が目指すところなのである。

 

4.選抜総選挙を終えてみて(p99〜p100)

第一回の総選挙は、あっという間に当日を迎えてしまい、私は順位も票数も公表されない圏外に沈むという、さんざんな結果に終わった。

その時私は、とても暗い気持ちになった。こういう結果がでて、自分は非選抜メンバーであるということが白日の下にさらされてしまった以上は、もうこれ以上AKB48にはいられないのではないか、今度こそ辞めなければいけないのではないか、と考えたからである。

ところが、私の予想に反して、選挙後に待っていたのはそれまでと変わらない日常だった。多くの方々が、慰めの言葉をかけてくださった。それが私には意外だった。私は、敗者は全てを失うものだと思っていた。

敗者とは、存在を許されないものだと思っていた。アイドルで言えば、居場所を得られるのは人気のある選抜メンバーだけで、人気のない非選抜メンバーは去らなければいけないかと考えていた。

しかし、選抜総選挙が終わって後のAKB48では、非選抜メンバーは以前よりも大切にされるようになった。以前よりも、しっかりとした居場所が与えられるようになったのだ。

それで分かったのは、実は「勝負」というものは、勝者のみならず敗者に対しても、その存在意義を明確にしてくれるということだった。

敗者という存在にも、居場所は与えられる。AKb48においては、総選挙で圏外に終わったメンバーにも非選抜メンバーとして存在することを許されたのである。

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