読書めも

読んだ本の感想をぼちぼち書いてます

【#68】私、社長でなくなりました 安田佳生

私、社長ではなくなりました。 ― ワイキューブとの7435日

私、社長ではなくなりました。 ― ワイキューブとの7435日

 

 

◎本書の内容

自社にワインセラーやバーを置き、社員の福利厚生を充実させた事で一時有名になった株式会社ワイキューブ。現在は、カケハシスカイソリューションズがワイキューブ事業を引き継いだ。

元社長の安田さんは元々リクルート出身の方です。

そこから独立し、新卒のコンサルティングを行うワイキューブを設立しました。ところが、多くの負債を抱え、ワイキューブは2011年に民事再生に踏切り、安田さん自身も自己破産を申請しました。

なぜ、社員の福利厚生に力を入れたのか?そして、安田さん自身の生い立ちは?

 

◎感想

読み終えて思ったこと。それは、安田さんは社長として未熟だったのでは?ということ。

それは、会社を倒産させたからではなく、ワイキューブを経営する過程で、彼の経営手腕に未熟さを感じたから。

例えば、営業利益が3000万円しかないのに、家賃1200万円のオフィスに引っ越しをしたり(結局、予算のやりくりができなくなり、すぐに安い所に引っ越し)、利益を出すことに興味がなかったり。

キャッシュをうまく回せる参謀が安田さんの下に入れば、経営はもう少しうまくいっていたのだと思います。

また、彼の未熟さが、「なんとかしてあげたい!」と周りの人間が思うような未熟さであればまた違ったかもしれません。でも、そういう未熟さではなかったんです。

 

◎疑問

・残った社員が最後までワイキューブに残り続けた理由は何か?

・最後までワイキューブにいた社員から見た安田社長はどのような人物だったのか?

ワインセラーや社内バーを作るにあたって、事前に社員にアンケートをとらなかったのか?

 

◎読書メモ

1.ナビと使ったのは私たちが最初だった

今でこそ、「リクナビ」をはじめ「~ナビ」とつく就職情報サービスはたくさんあるが、この業界で「ナビ」と使ったのは私たちが最初だった。

 
2.経営者の仕事はお金を使うことである
経営者の仕事とは、お金を使うことである。会社を設立して10数年が経ったころから、私はこのように考えることになった。電話営業を中心に営業活動を行っていたころ、売上が7億円で頭打ちの状態がしばらく続いた。

なぜ売り上げが伸びないんだろう?理由を自分なりにいろいろ考えたのだが、つまるところ売れない理由はシンプルだった。お金を使わないからだ。

世の中の経営者を見回しても、伸びている会社はお金を使ってお金を生み出していた。一方でお金を使わない経営者は、売上が伸び悩んでいた。

 

3.新卒採用コンサルのマーケット

私たちのビジネスは、新卒を採用したことのない会社に新卒採用を提案することだ。しかも世の中には、新卒を採用したことのない会社のほうが圧倒的に多い。国内に200万社ある会社のうち、新卒採用を実施しているのは2万社程度で、全体のわずか1%。残りの99パーセントはがらあきのマーケットなわけである

 

4.売り上げをあげる事と利益をあげることは違う

私はそもそも利益を残すことに興味がなかった。どういう商品を作り、どうやって集客するかというところは必死で考えていたが、どうやって利益を出すかについてほとんど考えたことがなかったのだ。むしろ、売上が伸びれば、利益はおのずとついてくるものだと思っていた。売上をあげるためにに多額の投資もした

だが、売上をのばすことと利益を伸ばす事はまったくの別のことである。まったくの別の能力が必要である