読書めも

読んだ本の感想をぼちぼち書いてます

【#49】ホリエモン×ひろゆき 語りつくした本音の12時間「なんかヘンだよね・・・」

ホリエモン×ひろゆき 語りつくした本音の12時間 「なんかヘンだよね・・・」

ホリエモン×ひろゆき 語りつくした本音の12時間 「なんかヘンだよね・・・」

 

 

内容と感想

ひろゆきさんの本を読みたくて図書館にたまたまあったので手にとり読みました。この書のタイトルは、「なんかへんだよね・・・」なわけですが、タイトルの中にある言葉が隠されています。それは、"世の中"という言葉です。おそらく、「なんか(世の中)ヘンだよね・・・」というのが正式なタイトルであると僕は思います。

というのは、本書の内容が、堀江さんとひろゆきさんの世の中に対する疑問をフリーに話す感じになっているからです。格差社会、政治、裁判制度、メディア、教育、様々なジャンルで思うままに話します。

僕は、この二人に関してバランスが取れたコンビだなあって思います。どこか人間くさい堀江さんとひょうひょうとして一般人を少し超越したようなひろゆき、やってきた事も違うだろうし、バックグラウンドも違うだろうけどどこか価値観のようなものは、少し似ているのかもしれません。とにかく、二人の対談は、流れる水のように、すぅーと頭の中に流れていきます。

◎読書メモ

1.格差の招待は妬みと言い訳

堀江:俺、自分が負けていると思ったら「なんでこいつに負けているんだ」とって思って、ひたすら「こいつを抜くまで働く」みたいなところがあるのよ。「インターネットすげえ!」ってなる前は、きっかけとか足がかりなんてなくて、いろんな事やった。そして、たまたまインターネットの仕事が当たっただけ。俺だって大学に入ってからは、学校に入ってからは、学校に行かずにバイトだけして、終いにはバイトにも行かずに競馬ばかりの自堕落な生活を送ってたわけよ。(略)で、とりあえず真人間になろうと思って、コンピューターの会社でバイトを始めた。(略)そこからさらに時給の高い会社に移籍した。

西村:そこで「自分は、仕事ができるかもしれない」と思えたんだ。

堀江:そう、それで「どれだけ働いてもいいよ」と言われて、何十時間も働いた。

西村:この話を聞いても「俺はパソコンの能力なんてないから、時給980円の仕事をしていても、ずっと980円のまま。そういう意味で堀江さんはやっぱり才能があったんだ。だから、俺とは違うんだ」という後ろ向きの反応をする人もいるんじゃ?

堀江:それは単なる言い訳だよね。そもそも、なんで「格差が存在するんだ!」とか大騒ぎするのかわからない。しかも、そういう言葉を巧い事政治家が利用したりもしてるしさ。

西村:ここが問題であると言い切る事で問題を作り出して、その問題を自分のテリトリーにしたがる人っていますから

堀江:逆に、「小泉さんのせいでホームレスになりました」と言う人もいるけど、それは明らかにおかしいと思うんだよね

西村:まあ「小泉さんのせいでホームレスになりました」と言う人が続出しているわけでもないですしね。でも、今までは普通の人だったのに、金融緩和が起こった事で大金持ちになった個人デイトレーダーとかが増えたから、「あれに比べたら俺はこんな・・・」と感じる人はいると思うんですよ。僕が子どもの頃に20代で1000億円も持ってる人なんていなかったもん。でも、今は時々いたりするわけじゃないですか

堀江:「自分とあんまり歳も変わらないやつが、なんであんな金持ってるんだ!?」ってね。「羨ましい!」って思ってるんじゃないかな?

西村:格差というより、むかつくって話なんですよね

堀江:そうそう。60歳、70歳のお金持ちになら「まあいいか。俺の方が若いし。」とか感じたりね。

西村:つまり、今の格差社会は、経済的な意味の格差じゃなくて、心情的なところが大きいんじゃないですかね?

堀江:それは、大きいかも。若くしてお金持ちになった人を見て、「俺もああなれる」と思うのか、「むかつく」と思うのか、どっちかという話

格差の正体が、実は「嫉妬である」という話。「ああ、確かに・・・」と納得です。頑張っている人をバカにする人の心情と似ていると思います。頑張っている人達をバカにするのは、多くの理由が「嫉妬」です。

もちろん彼らは、頑張っている事がダサいと思っていると表向き答えるかもしれませんが、突き詰めると「目立っている人に対しての嫉妬」です。物事を見極める時に、それは事実なのか?はたまた心情的なものなのか?をしっかりと考えなければならないのかもしれません。

 

2.スポーツの醍醐味は、勝ち負け?それともスポーツ自体を楽しむ事?

堀江:俺も同じだけど、一番じゃなくてもいいから、できればトップグループにいたいと思わない?わざわざ、負けるためにスポーツなんてしたくないんだよ。

西村:スポーツ自体の楽しみは感じないんですか?

堀江:スポーツ自体の楽しさって何?

西村:友達とバスケやって楽しいとか

堀江:負けたら悔しくない?バスケを友達とやっていて自分が貢献できない事に対して、むかついたりしない?

西村:シュートはいらなかったら体力でカバーするとか。あとは、ちゃんとポジションを取るようにしたりとか。頭を使って居場所を見つけるとか。

堀江:頭を使うんだったら、ゴルフも好きーもマリンスポーツも同じじゃん。「こうしたらうまくいく」って戦略を考えて「うまくいった」とか「なんでうまくいかないんだ」とかなるじゃない。そこの部分が重用しされるから、瞬間の判断も必要ないの。そもそもやっても活躍できることはやらないし。

西村:活躍できなくても友達と何かしていて面白いとか感じないですか?もちろんトップグループにいて気持ちいいというのはあるでしょうけど

堀江:トップグループにいたほうが気持ちいいじゃない。それはトップグループにいた経験があるから楽しいんじゃなくて、トップグループにいたらどんな事でも楽しいもんでしょ

西村:僕、勝ち負けってどうでもいいんですよね。1位になるかどうかはそんなに重要じゃないんですよ。だから、友達とバスケやる時も別に点数とかカウントしてませんし

堀江:だったら別にやる必要ないかなあって。でもゴルフは勝ち負けじゃなくて、基本、自分のスコアしか考えないのさ

西村:途中で、すごいいいショットが打てても、スコアが悪かったら意味がないとか?

堀江:俺はそういう思考

西村:キューバーダイビングってスポーツって言われますけど、数字も勝ち負けないじゃないですか。ああいうのは?

堀江:あれは普通にもぐっているのが、楽しいもん

西村:それと同じ感覚で、バスケやるのが楽しいとかは?

堀江:ないんだよね

西村:へー。でもスキューバはやっている過程だけが楽しいわけじゃないですか

堀江:でも、「俺のほうが酸素余ってる♪」とかあるじゃん

スポーツの醍醐味に関する話ですね。これは非常に共感するところがいくつかありました。例えば、堀江さんが言っていた「トップグループにいたほうが気持ちいい」。これは、僕の高校時代に当てはまるなあと感じました。

高校時代に体育でバスケの時間がありました。チームを毎回自由に決めて、その勝ったチームがコートに居続ける事ができて、他のチームと闘う方式でいつも行っていました。その時、僕のチームはいつも常勝軍団でした。

もちろん自分がチームでおおきな貢献ができていた事は自他共に認めていました。ですが、その時自分自身がそのトップチームにいる事に気持ちがいいと思っていたんだろうなと思います。


3.共産主義は一発逆転がない

西村:共産主義って一発逆転がないんですよね。共産党に入って徐々に位が上がっていくしか生活をよくする術がなくて、資本主義の場合は一発逆転ができる。突然ヒットを出して大金持ちになって財界に入る事もできる。そういうライバルが発生しないためにはどうすればいいかを考えると、上の方の人たちが全部共産化すること。そうすれば、安定した構造になる

堀江:いったん権力を握ってしまえば、非常に安定した構造になるんだよね。マスコミはうまくやってるんですよ

西村:まあ、情報を流通させることは必要なので、メディア自体は必要だと思いますけど、個々のメディアがメリット・デメリットを持っているというのが問題。営利企業であるから、ウソをついている番組もあるし。

資本主義と共産主義の違いを分かりやすくひろゆきさんが説明していますね。共産主義にすれば、競争しなくなり経済の発展が難しくなる。一方で資本主義にすれば、格差が生まれたり、嫉妬を格差とすり替えてくる輩もでてくる。月並みですが、どっちが正しいわけでもなく、メリットでメリットがあるんだと感じます


4.たかる友達は大事です

西村:でもたかる友達は大事ですよね

堀江:どっちも一緒だと思うよ。大して変わらないと思うな

西村:仕事の実績っていうのも信用になりますよね。「〇〇をやっていた〇〇さん」という事で、他の仕事もできるわけじゃないですか

堀江:俺、AVを批評する仕事をしているんで、AVは買う必要はないのね。本とか漫画とか雑誌とかも同じ。だんだんそうなるんだよね食べ物とかでも

西村:僕は、昔からお金を使わないですけどね。欲しい本があった時に「なんでこの本が欲しいか」という理由が自分の中にあるわけじゃないですか。その理由を友達10人ぐらいに伝えれば、1人ぐらいは買うんですよね。そうしたら、「読み終わった?」と聞いて借りればいいだけの話。もちろん、ゲームも同じ。自分が面白いと思ったゲームを他人に伝えれば、誰か買って、借りられるんですよね。

最後のひろゆきさんの発言が非常におもしろいと感じました。自分が手に入れたいものを他人をうまく使って手に入れる。これって人の動かし方について触れている気がします。人の動かし方と言えば、いい経営者ほど人をうまく使うと言いますよね。どうしたら人が動くのか?という事をよく知っているのがひろゆきさんなのかもしれません

堀江さんの書籍とひろゆきさんの書籍は、他にもあるので読んでみようかと思います。