【#40】なぜ日本はWBCで負けたのか?《WBC 侍ジャパンの死角 高代延博》
◎内容と感想
買おうか迷っていたのですが、結局、TUTAYAで購入しました。2013年のWBCはイチローが出場しないので「興味ねーわ」と僕は思っていたのですが、結局ほぼ全試合フルタイムで見ることになりましたw
WBCについてはブログで2つ記事を書きました。
・WBC2013はなぜ負けたのか?
・WBCから学ぶ短期決戦における大事な事
実はこの本買う気があまりなかったんですよ。図書館で借りればいいかなって思って。でも、実際にTUTAYAに行って、手に取ったら表紙と帯がカッコいいんですもん。
そりゃーカッコ良かったら買いますよ。というか思わず買っちゃいましたよね。井端の帯カッコいいですもん
本書ですが、3塁ベースコーチの高代さんが執筆したものです。高代さんと言えば、落合博満元監督の時に、3塁コーチとして活躍された人物です
WBC2009でも『WBCに愛があった』という著書も有名ですね
今回は皆さんも知っての通り、侍ジャパンは準決勝で敗退し、3連覇の夢を成し遂げることができませんでした
なぜ優勝できなかった?またその敗因をふまえた高代さんの考えがここに記されています。特に注目してほしいのは、WBC、侍ジャパン、NPB3者それぞれに対して高代さんは提言をしています
1.NPBへの提言
メジャー出場についての交渉はほとんど山本監督が行っていた。メジャーリーガーがWBCに参加するか否かは本人の意思だけでは片付かない問題である。当該球団、エージェントを交えて、早い段階から交渉を行っておかねば片付かない問題である。もっと言えば、メジャーは選手によっては電話帳一冊分くらいになる細かい契約を交わすそうだが、その契約交渉の段階からWBC出場に関する条項を入れこんでもらうべきなのだ。となるとそれはもう監督の仕事ではない。NPBの責任者が長期的なビジョンを持って根回しをしておくべきなのだ。(中略)
私は侍ジャパンにGMを置く事を提案したい。メジャーリ—ガーの参加の交渉も含めて、選手先行についてもGMが叩き台を作り、それを監督、コーチングスタッフと最終的に煮詰めるのが理想ではなかろうか?
さあ、料理を作ってくださいと言われて、台所に行けば何もない。野菜も自分で買ってきてください、包丁も自分で持ってきてくださいではなく、食材は用意しました。キッチン道具はすべてそろっています。どう料理するかはあなたがたが決めてくださいという形で、シェフであるWBC監督とコーチングのプロ集団に委ねるシステムが理想的だと思う。(中略)
一番の問題は誰にGMをお願いするかである。私は現状では王貞治さんしかいないと思う。MLB相手に交渉もせねばならんから、アメリカ人が耳を貸す国際的な知名度も必要だろう。野球に対する見識、知識、人脈、決断力、責任感。王さんならそれらGMに必要な条件をすべて兼ねそろえている。
上記の提言は、一部抜粋したものです。この提言はすべて合わせると10以上はあると思います。ここが本書の最大の魅力と言っても過言ではないと思います
前回は優勝したこともあって、『WBCに愛があった』では素敵なストーリーが溢れていました。イチローが不振に陥った時に、侍ジャパンの若き侍がイチローを影で支えていた話などね。
本当に2009では、様々なストーリーがそこにはありました
残念ながら、今回はそういったストーリーがあまりないように見受けられました。試合の振り返りと提言が中心で僕としてはどこか物足りなく感じれました
WBCではよく運営側が搾取しているなどWBC問題として取り上げられます。WBCでは何が問題視されているのか?またNPBは何がいけないのか?
そして、WBC2013の舞台をベンチから振り返りたい方はぜひ本書を手に取ってください
それでは!