【#29】編集者という病い 見城徹
内容と感想
幻冬社の社長でもある、見城さんの自叙伝。主に、一緒に仕事をしてきた大物作家や芸能人などについて書かれています。感想を一言でいうのであれば、「レベルの高い読み物だなあ...」と
見城さんの書籍は、サイバーエージェントの藤田社長との共著「憂鬱でなければ仕事でない」しか読んだことがありませんでした
憂鬱でなければ仕事でないは、見城さんの言葉一つ一つが突き刺さる言葉でした。野球で例えるのであれば、150キロのど真ん中のストレートのような感じ
ですが、今回の書籍では、どこか文芸っぽく、言い回し一つ一つが小説チックでした
この辺りは、読んでみないと分からないと思うのでぜひ手にとってご覧になってください
また、本書の内容ですが、見城さんは、その人達とどういう仕事をしてきたのか?また、彼はその人達の姿がどう写ったのか?
そんなことが見城さんの言葉一つ一つで書かれています。まあとにかく登場人物が多いです。
名前は聴いたことあるけどぶっちゃけわかんねえ...っていう人達がたくさんでてきます
文芸に詳しい人や見城さんの世代(50歳~60歳)には親しみがあるかもしれません
ですが、今の10代、20代の僕たちには少しばかり難しい人ばかりです。ここに登場する人達の書籍を読んで、もう一度この本を読み直す必要があります...
◎読書メモ
1.感じる本を作りたい
この一冊によって「本」の制度を壊したかった。尾崎豊という感性を生かして「読む」本ではなく、「感じる」本を作りたかった。
2.私の好きな言葉
好きな言葉が一つある。それは『これほどの努力を他人は運という』
3.好きな相手と仕事をする方法
刺激する言葉をいっぱい吐くんですよ。それからその人が無意識的に持ってるものを観察しながら、それをどういう言葉でいったら相手の中で顕在化していくのか。もし傷口があるのんだったら。どの場面でそこに塩を塗込むのか常に伺っているんですよ
4.人間関係が崩れてもいい
相手との距離を一歩も二歩も縮めて、付き合うわけだから関係が一時期悪化するかもしれない。というのは、大事なところに触れてしまうわけだから
それは擦過傷も負うし、返り血もいっぱい浴びるわけですよ
でも、それを恐れていたら、何も結果は得られない。僕はいつも部下にこう言ってます「取り返しのつかないことになってもいい。一歩も二歩も踏み込まないでなあなあの仕事をするよりは全然いい。返り血を浴びたり、関係が悪化することはしょうがないことだから踏み込め!」人は常に死に向かって生きている。人って常に死に向かって生きているわけでしょ?結局死ぬために生きている。ソレ以外はすべてごまかしなんですよ。何をやっても圧倒的な事実に向かっているわけで。
それを回避できりゃいいよ。でも回避できないからすべては一時的なごまかしでしょ?だから根本的には寂しいんですよ。愛があろうと仕事がうまくいこうと。だから僕にとっては、死をどのように受容するかが最大の問題なんです
5.小さいことにくよくよするな!なんてうそだ
小さい事にくよくそするな!なんてうそだと思います。小さなことにくよくよせずに大きなことをプロデュースできるわけない。小さな約束を守れないやつが大きな約束を守れるわけがない。果たしていないことがあれば、常に書き出して、毎日車の中、トイレの中、ベッドの中で見る。
そういうことができない人が大きなものを動かせる訳がない。成功か失敗なんて死ぬ直前まで決まらない。成功か失敗なんて死ぬ直前まで決まらないんですよ。死だけがすべての人を平等にする。その死の瞬間に「俺の人生まあ、よかったか」と思って死にたい