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【#20】さらばヤンキース 我が監督時代 ジョートーリ

さらばヤンキース 我が監督時代

さらばヤンキース 我が監督時代

 

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

トーリ,ジョー
1940年生まれ。現役生活18年間は捕手・内野手として通算2342安打、打率.297、252本塁打を記録。引退後はアトランタ・ブレーブス、セント ルイス・カージナルスニューヨーク・メッツなどの監督を経て、1995年11月にニューヨーク・ヤンキース監督に就任。翌96年にチームを18年ぶりの ワールドシリーズ優勝に導き、98〜00にかけてワールドシリーズ3連覇を果たす。07年10月に退任。11月よりロサンゼルス・ドジャース監督就任

感想

松井秀喜が師と仰いでいた元ニューヨークヤンキースの監督ジョー・トーリの自伝。ヤンキースでのチーム作りや采配などについて書かれている。

ヤンキースというと、161億円の契約をした田中将大(年棒23億)やポスティング阪神から移籍した井川慶は交渉で30億、5年契約で30億という巨額なお金を選手に投資することで有名な球団だ。実際、球団として歴史も古く、ベーブルースをはじめとした多くの名選手を生んだ球団でもある。

今でこそ、ヤンキースワールドシリーズの常連となったが、トーリが就任する前まではそんなに強いチームではなかった。1996年にトーリが監督として就任し、ヤンキースを18年ぶりのワールドシリーズに導き、1998年〜2000年にかけてワールドシリーズ3連覇を成し遂げた。デレク・ジーターバーニー・ウィリアムスマリアノ・リベラアンディ・ペティット、ホルヘ・ポサダ、ヤンキースの数多くのレジェンドが大活躍した時代でもある。

 

ちなみに、本書は全部で638ページ。ものすごいボリュームだ。レイ・クロックの「成功はゴミ箱に」でも380ページだから、それの約2倍弱。よむのにすごく時間がかかる。

ヤンキースの黄金時代と呼ばれた時期から、デレク・ジーターの素晴らしさ、問題児A・ロッドの加入、名選手の引退、60億をつぎこんだ井川慶というお荷物、なんどもGMやフロントと戦ったエピソードなどなど、非常に濃い内容となっている。

アレックス・ロドリゲスが来てからというもの、クラブハウスでの和気あいあいとした雰囲気が消えてしまった。誰かのせいにするというのは決していいことではないが、アクの強い人間が入ってくるとえてしてこうなってしまう。(中略)

 

レックスの存在は、交通事故のようなものだった。MLB過去最高の記録2億5200万ドルという契約のために周囲の注意を惹付ける才覚のために足踏みするヤンキースの象徴となっていた。もちろんその大部分は不当なもので、ハイスクールで一番可愛い女の子が、非難の標的となりやすいのと似たり寄ったりである。

※Aロッドは現役選手の中で一番ホームランを打っている選手。通算647本の本塁打を放ち、歴代5位の成績。ちなみに1位は、762本のバリーボンズ

 

たぶんヤンキースの黄金時代のことを知らない人は、読むのが大変だとおもう。ポール・オニール、ホルヘ・ポサダ、ロジャー・クレメンス、デビット・コーン、アンディ・ペティット、ジェフ・ネルソン。

これらの選手の名前を知らないと読むのにおそらく苦労する(実際、ぼくは苦労した)。選手ひとりひとりのエピソードが紹介されるから、かれらを知っていないと感情移入して読むことができない。なので、上記の選手を知らないひとは、この本を読むのは後回しにしよう。逆に、ヤンキースを古くから応援しているひとは、きっと満足する内容となっているだろう。

さらばヤンキース 我が監督時代

さらばヤンキース 我が監督時代