「カタリバ」という授業 上阪徹
「カタリバ」という授業――社会起業家と学生が生み出す “つながりづくり”の場としくみ
- 作者: 上阪徹
- 出版社/メーカー: 英治出版
- 発売日: 2010/09/24
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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◎内容と感想
「もし、あなたが高校生の時に授業で勉強でなく大学生と1・2時間語り合う」
そんな授業があったらあなたは喜んで受けますか?それとも、普段の授業じゃない、ラッキーと思いますか?
これは、NPO法人カタリバについて書かれた一冊です。
カタリバとは、ボランティアの大学生が実際に高校に赴き、高校生と車座になって将来のことについて語ったりする法人です。
この本を読んだ感想は、一回読んでからカタリバに参加すればよかったな...この一言に尽きる。僕は、カタリバの活動に参加してことがある
しかし、自身がカタリバの目指す世界やビジョンを理解せずに活動をしていたんだと思います。
それは、参加している間は気がつかなかったが、活動から離れてみたところ、様々な後悔や反省がほんとにたくさんでてきました。
◎読書メモ
1.カタリバの目的は、高校生を「変える」のではなく、自分と向き合う「きっかけ」を提供する場である
2.子供に対して勉強だけでなく、頑張ったことを褒めることが大事。目立たない子供にも光を当ててあげることで、子供は伸びる
3.生徒達の行動は自分達にとっての「カッコいい」が基準になる
だが、金髪、悪ぶる、サボるなど視野のせまい「子供流かっこいい」になりがち。でも、視野の広い「カッコいい」を認められ、それを皆が褒めてくれれば新しい価値観がそこで生まれる
4.大学に行くだけでは、充実とした学びを得ることはできない
大学での環境、大学をゴールとせず、未来のイメージを描き続ける機会。そして、そうしたものを支える「ナナメの関係」そうしたものがセットになって初めて充実とした学びを得ることができる
5.別に不良の子らは悪いわけじゃない。
パワーを向けている方向を変えてあげればいい。例えば、茶髪の子はパワーを髪の毛に向けている。それは決して悪いことじゃない。そこでそのパワーの矛先をチューニングしてやればいい
6.高校生に足りないのは、情報でなく感情。
感情を揺り動かすくらい全力でぶつかってくれる人の存在が必要。それが自分のモノサシを作るヒントとなる。カタリバの大学生は全力で高校生にぶつけ、向かってきます。そうすることで、高校生は自分の頭で考えるというスタート地点に立つ事ができるのです
7.人間は潜在的に熱狂的なものを求めているんだと思います。
カタリバはたとえるなら、”祭り”です。1つのゴールに向かってチームが結束しながらお互いを認め合い、突き進んでいく。
でも今の大学にはそういった祭りがない。学校の行事やサークルなどもどこか一体感がない。そうした祭りに参加したい大学生が本能的に求めカタリバに参加しているんだと思います
8.サービスの恩恵を受ける人が増えれば増えるほど、そのサービスの価値はぐっと高まる
カタリバは、立ち上げ時、学校の授業に参入し、学校から資金を頂くという形をとっていた。でもなかなか難しい。そこで、生徒だけでなく先生側にもメリットがあるようにしました。実施した後のアンケートの配布や反省会の立ち会いをしてもらうことで新たな気づきを提供しました・そうすることで爆発的に伸びることができました。