読書めも

読んだ本の感想をぼちぼち書いてます

こうして僕は世界を変えるために一歩を踏み出した 鬼丸昌也

こうして僕は世界を変えるために一歩を踏み出した

こうして僕は世界を変えるために一歩を踏み出した

 

 

◎内容と感想

こども兵問題、カンボジアの地雷問題の支援を行っている。NPO法人テラルネッサンスの鬼丸昌也さんの著書。

この本を読むまで知らなかったが、子供兵問題を取り組んでいるNGONPOは非常に少ないということ。

その子供兵になった人達のサポートがテラルネッサンスの仕事である。具体的には、職業訓練所を設置し、そこでスキルを取得してもらう。

そしてスキルを身につけ就職してもらうというシステムである。この本を読んだ感想だが、インパクトが弱いなぁというのが正直な感想。

読み終えて、テラルネッサンスを応援しよう!という気にはならなかった。もちろん鬼丸さんがやっていることは素晴らしいし、僕自身も子供が好きだし、鬼丸さんの講演も聞いたことがある。

でも、この本からは、地雷問題・子供兵問題の悲惨さが伝わってこなかった。社会起業家と呼ばれる人達は、いかに自分が取り組んでいる問題が悲惨か。また、絶対に解決しなければいけないんだ!ということを伝えないと人々は共感し、応援してくれないと思う。

じゃあなぜこの著書から悲惨さが伝わってこなかったのか?

たぶんそれは、ファーストインプレッションが弱かったんだと思う。例えば、以前読んだ "かものはしプロジェクト" の村田早耶香さんの記事。こちらは、ファーストインプレッションがものすごく強かった

→ かものはしプロジェクト村田早耶香「想いをかたちにする力」

もちろんこの記事は鬼丸さんの著書に比べて文字数も少ないし、講演の文字起こしをしたものだから比べるのは違うかもしれない。

でもこの記事の場合、最初の一文で読者の心をつかんでいる。

"彼女の命の値段はその時、私が着ていたワンピースと同じだった"

このフレーズは、村田さんが取り組む問題の悲惨さを物語っている。僕はこの記事を見てすぐにかものはしプロジェクトを応援したくなった。なぜなら、この言葉がものすごく響いたからである。世界に問題がいっぱいあることはみんななんとなく知っている。

でも、その現状をただ伝えるだけではいけないんだと思う。それがいかに悲惨な現状であるかをどう相手に伝えるかが重要である

でもこの本は、鬼丸さんがやってきたことを述べているだけのような気がした。

◎読書メモ

1.地雷除去には莫大な時間とお金がかかる

地雷を撤去するには、2つの方法がある。1つ目は、人間が金属探知機を使い、地雷を一つずつ撤去するやり方。金属探知機は、地雷探知機ではないので地雷を発見するのが非常に難しい。なぜなら、カンボジアには、地雷以外の不発弾なども埋まっているからである。つまり、金属探知機が反応したらその周りを掘って慎重に期さねばならないのである。

 

2つ目は、重機を使って除去する方法。後者の方が時間はかからないが器具の取り替えなどとにかくお金がかかる。また、森などにある地雷を除去する場合は、ぬかるみなどがあるので重機が使えない場合がある。


2.カンボジアの歴史

1953年にフランスの植民地からカンボジア王国として独立。その当時の首都プノンペンは「東洋のパリ」と呼ばれるくらい美しい街並みであった。

 

しかし、ベトナム戦争の影響で内戦が勃発。そこから泥沼化。そして、ほどなくして、ポルポト政権が樹立され、前政権の役人や知識人など特別な能力を持った人を惨殺していった。その惨殺された場所をキリング・フィールドと呼んでいる。


3.すべての地雷を撤去するために600年かかる

すべての地雷を撤去するには600年かかると言われている。その途方もない時間を目の前にしたらあきらめがちである。でも、未来を作るのは未来に生きる子供たちでなく、今を生きている人達なんだ。