読書めも

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【#05】自己啓発本なんて意味ねえんだよ!《お前なんかもう死んでいる プロ一発屋に学ぶ「生き残りの法則50」有吉弘行》

内容(「BOOK」データベースより)

猿岩石時代の月収2千万円から一転、給料ゼロのどん底生活に陥ったお笑い芸人・有吉弘行。天国と地獄を味わった男だけがわかる不況社会を生き抜く50の知恵。明るい未来なんかクソ喰らえの「毒舌生存論」を学べ。

感想

人気お笑いタレント有吉弘行の1冊目の著書。もともと有吉さんはピン芸人ではなく、猿岩石としてコンビで活動していた。「進め!電波少年」のヒッチハイク企画で世界中を旅したことで、猿岩石が大ブレイク。一時は月収2000万を手にし、日本レコード大賞の新人賞も受賞。だが、その人気はすぐに陰りがあらわれる。

当初はレギュラー番組をいくつも抱えていたが、徐々に減り、やがて広島のローカルタレント化していった。再起をはかるためにコンビ名を「手裏剣トリオ」に変更するも、現状を打開することはできなかった。やがて相方の森脇さんが芸能界を引退。有吉さんはピン芸人となり、仕事はゼロに。

ここからが地獄だったらしい。というのは、バイトができなかったからだ。仕事がゼロだからバイトをやりたかったが、猿岩石で売れすぎたため、バイトをやれば「あいつ落ちぶれたよなぁ」と後ろ指さされるから、できなかった。一度売れた芸能人は、芸能人を辞めることも許されないのだ。

仕事がない時期は、貯金で食いつないだという。また、食費はダチョウ倶楽部の上島さんにいつも奢ってもらっていたらしい。この奢ってもらうことに関して、手厳しいことを書いていた。

楽しむなんてもっての他。人の金で飲む時は仕事と思え!

人に奢ってもらっておいて文句を言うやつなんてもってのほか。奢ってもらったら仕事と思わなきゃだめ。そもそも楽しもうなんて考えてはいけない。だから僕が後輩に奢る時に気分がよくなかったら一生そいつを誘わない。

文句があるなら自分の金で飲めよってこと。奢ってもらったらその時は「仕事だ!修行だ!」って思わなきゃだめ。僕は嫌いなやつと呑みに行く場合は、ニコニコして話を聞くだけ。  

仕事がない時期が7・8年つづき、いつも先輩に飯を奢ってもらっていた有吉さんが学んだことだ。先輩に代金を支払ってもらう代わりに、後輩は先輩に対してサービスをする。考えてみれば当然かもしれないが、なかなか手厳しく書いてあった。

本書は有吉さんが仕事がない時期の醜い感情やドロドロしたものが書かれていておもしろい。赤裸々に書いてあるから、共感するところもきっと多いだろう。

読書メモ

1.お山の大将となれる村を見つけろ!

僕は、みんなでワイワイするよりもお山の大将やってた方が好き 。芸人が多いとこで仕事はしたくない。それより、アイドルの深夜番組が理想「この番組、有吉おもれーよな」。

これくらいがいい。だってそうすれば、一番自分が面白く見えるから。だから絶対R1グランプリは出ない  わざわざ戦場に赴いてどうすんのよ。そもそも僕の場合、お笑いをがっつりやるつもりないし。ブラックマヨネーズとかに勝とうなんてこれっぽっちも思ってない。それよりも、自分よりも格下の相手と戦って勝った方がいい。    

2.自分磨きするなら整形しろ!

自己啓発本とか読んで内面を変える!とかあるけど、そんなん意味ない。自分を磨いてもしょうがないもん。内面磨いてもそんなに人から分からない。中身が変わっても人が見てるのはうわべだけ。詐欺師とか立派な格好して騙すじゃないですか。立派な格好をして金をとられちゃうみたいな。

人間中身で判断してませんて。そう考えるとちゃんとした格好をすればちゃんとした人に見れるんですよ。自分の内面磨いてスキルアップしよう!と思ったらだめなんですよね。努力の方向性が違います。そんな暇あるなら人を見極める力を養えっつーの。「あ、この人に着いていけばおいしい思いができるな」とかね。人間、挨拶と天気の話できればみんな「いい人」です。「いい天気ですね」って言えば、周りは気さくな人だって思うし。