【#03】ホスピタリティってなんだ!?《リッツカールトンが大切にするサービスを超える瞬間 高野登》
あらすじ(「BOOK」データベースより)
「お客様自身が気づかれていない望みとは何か」「それに対して自分ができる最高のおもてなしは何か」これらを常に、考え、思い、感じること…心が暖まる「人との接し方」ホスピタリティの原点。
感想
ホスピタリティといえば、ホテル「リッツカールトン」。アメリカで生まれたリッツカールトン。日本支社の立ち上げを行い、日本支社長に上りつめた高野登さんの本、よみました。
Q:そもそもホスピタリティとは一体何だろうか?
ホスピタリティ=おもてなしの心。このようによく理解されるが、具体的にどういうことなのか?
以前参加した高野さんの講演でこう言っていた。
サービスはお客様がから言われたことをそのまま実行することで、ホスピタリティとは、そのお客様から言われたこと以上のことをすること。
例えば、講演のときに講師の人に飲物(ペットボトル)を提供するとしよう。そのときに、ただ机の上にペットボトルを置いておくのはサービス。そのペットボトルの口をあらかじめゆるくしておき、コップも用意することがホスピタリティ。
ペットボトルの口をゆるくしておけば、講師の人が飲みたいときにすぐ飲めることができるし、コップを用意してあったら、ペットボトルに口をつけなくていいから、上品に飲むことができる。相手がこれから取る行動を先読みして、ベストタイミングでサービスを提供することがホスピタリティってわけだ。
ちなみにそんなリッツカールトンが目指していることは、お客様が『今度はどんな感動が待っているのだろう?』『今日は、リッツカールトンに来てよかった!』とお客様がベッドに入って眠ろうとした時に思ってくれることらしい。
そんなホスピテリティを大事にしているリッツカールトンには様々な伝説がある。
「忘れ物をホテルにして、従業員が東京から大阪に届けに行った」
「一回しかお泊まりしていないのに、ロビーに入ったらボーイに名前を呼ばれた」
これらをリッツカールトンでは、"ワオ・ストーリー"と呼んでいるらしい。特に有名なのが浜辺でプロポーズをしようとしたら...?というお話。これは、アメリカ・フロリダ州にあるリッツカールトンで起きた出来事。
フロリダのリッツカールトンは、ビーチが近くにあり、ビーチを担当するスタッフがいました。そのスタッフがビーチチェアの片付けをしていると、ある男性がやってきてこういった。
「今夜ここで彼女にプロポーズをするからそのビーチチェアは置いたままにしておいてくれないかな?」
時間が来たら、ビーチチェアを片付けねばなりませんが、その従業員はにこっと笑い、「かしこまりました」と一言。ここまでなら気のきく従業員であれば誰にでもできることです。
ですがそのスタッフは違いました。イスの他にテーブルも残しておいたのです。さらに彼は、タキシードに着替え真っ白なテーブルクロスを引き、シャンパンと花をその上に乗せたのです。またプロポーズする男性のひざがよごれないようにいすの前にタオルを折り畳んで置いておいたのです。そして、そのカップルが来るのを待っていたというのです。
これは、従業員がお客様が望んでいることを自ら発見し、行動したエピソードです。サービスマニュアルが整いすぎていると、こういった臨機応変な態度がとれなくなってしまう。
たしかに、サービス業においてマニュアルは大事。でも、サービスを超えて、ホスピタリティをお客様に提供するには、相手が言葉にしていないニーズに答えることが必要。
ではどうしたらホスピタリティ精神を養うことができるのか?本書では、こう書いてある。
頼まれたこと自分の手で少し加え提供すること
たぶんそれはどんな仕事においても同じだと思う。コピーだろうと、お茶汲みだろうと、買い出しでもきっと同じ。自分の仕事に対して、自分にしかつけることができない付加価値をつける。もちろん相手が頼んだ目的をしっかりと把握していること、これが条件なんだろうけど。
たぶんサービス業に携わっているひとには必読の書になるんだろうね。
リッツ・カールトン 至高のホスピタリティ (角川oneテーマ21)
- 作者: 高野登
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2013/05/10
- メディア: 新書
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